そろそろウィーンにも音楽大学に新入生たちがやってくる季節になりました。
新しい生活に胸を膨らませているみなさんは、留学期間中は練習や勉強に打ち込むつもりであることはもちろんでしょう。
でも、それ以外にも海外でしかできない経験をたくさんしてみたいと思っているのではないでしょうか。
演奏会や劇場を訪れたり、マスターコースに参加したり、語学学校を訪れたり、、やりたいことは山積みだと思います。
でも、何かをしようと思ったら、やっぱり先立つものが必要になってくるんですよね。
ご両親には生活費以外は甘えたくない。でも留学期間内にはできるだけたくさんの経験がしたい。
そう望んでいる方たちは、みなさんアルバイトを考えていらっしゃるのではないかと思います。
今回は、「ウィーンで留学生はアルバイトが可能なの?」という質問を頂きましたので、そのことについてお話ししていきたいと思います。
ウィーンではどのくらいの学生が働いているの?
学生の本分は勉強。
それは、もう、絶対です。間違いありません。
でも、誰もがお金のことを全く心配せず、アルバイトする必要なく学生生活をおくれるわけではありませんよね。
オーストリアでは70%の学生たちがアルバイトをしており、その額はひと月の収入(その他は家族からの援助、奨学金などの合計)の43%を占めています。
アルバイトの種類は様々ですが、オーストリアの学生は月々123ユーロ~771ユーロほどの収入があるそうですよ。(2015年の統計より)
働き方もひとそれぞれです。
40%ほどの学生は授業がある期間はアルバイトをせず、休暇中だけアルバイトをするそうです。それに対して、47%ほどの学生は授業がある期間もアルバイトをしているのだそうです。
のんびりしていると言われるオーストリア人ですが、案外熱心にアルバイトをしているんですね。(オーストリアには外国人も多く住んでいるので、働いているのはオーストリア人ばかりではなさそうですが。)
外人としてオーストリアでアルバイトする時の注意点
日本から留学してきた学生さんも、もちろんオーストリアでアルバイトするチャンスはあります。
勉強をおろそかにしてしまうのでは本末転倒です。
でも、勉強をしっかりこなしながら行うのであれば、アルバイトは
・語学の鍛錬になる
・社会勉強になる
・友達が増える
と、利点も多いんですよね。
ただし、外国人の留学生としてオーストリアでアルバイトをする場合には、気を付けなければいけない点がいくつかあります。
Beschäftigungsbewilligungが必要
ヨーロッパ以外からやってきた学生としてオーストリアでアルバイトをするためには働くための許可としてBeschäftigungsbewilligungと呼ばれる労働許可が必要です。
これは、雇用主が労働局に申請してくれるものです。
労働時間の上限に注意
EU以外からやってきた人が、本気でオーストリアで働くためには、原則Arbeitmarktprüfungというチェックが入ることになります。
このチェックはざっくり言うと「基本オーストリアでは国内とかEUから来た人を優先的に雇いますよ。それ以外の国から来た人たちは、国内にその分野に長けた人がいなかったり、特殊な技能を持っている人だから雇うんですよ」という、いわば自国のの労働力を保護するためのものなんですね。
ただ、学生さんのアルバイトは、大抵このチェックなしで働くことになると思います。チェックなしの労働許可で働く場合には、
・Erste Abschnitt(日本で言うと、大学卒業、つまりBachelorまで)を修了した後は、一週間20時間まで
の労働が認められています。
逆にArbeitmarktprüfungのチェックを受けて働くのであれば、学生でも例外的に週20時間以上のアルバイトが可能になるようです。
オーストリアでアルバイトしたら税金はどうなるの?
国籍が日本人でも、オーストリアに住んでいる人は誰もが所得に対して税金を支払う義務があります。
年間11,000ユーロ(税込み)を超える所得が課税の対象となり、税率は年収によって異なります。
みんなどんなところで働いているの?
・ベビーシッター
・楽器や歌を教える
などからスタートすることが多いようです。
そのうち音楽学校などでつながりができてくれば、先輩や先生のから、教会やオーケストラ、室内楽の演奏の仕事を頼まれるようになってくるでしょう。
学校内の掲示板にも演奏アルバイトの募集や、オーディションはあるけれど、報酬のでる演奏会の募集などが貼り出されるので、よくチェックしておきましょう。
チャンスが来た時に、ぱっと掴みとれるように普段から技術と語学を磨いておき、ウィーンでの音大生ライフを満喫しましょうね!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回ご紹介したように、オーストリアでは留学生でもアルバイトが可能になっています。
労働時間、税金の決まりをきちんと気をつけてかけがいのない経験を積んでいってください。
もちろん、練習や勉強を優先にすることを忘れないようにしましょうね!
コメント
こんにちは。kimkazu620と申します。
アルバイトに関するご説明、分かりやすくとても参考になりました。
質問等はこちらにさせていただくのがよいでしょうか。
kimukazu620さま
コメントありがとうございました。
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