ウィーンで滞在許可Daueraufenthaltの延長申請してきたよ

久しぶりにオーストリアの滞在許可の延長を申請してきました。

・・・と聞くと、オーストリアで滞在許可の申請をした経験のある人であれば、みんな同じ顔をすると思います。

おそらくこんな顔です↓

(´-ω-`)

海外で滞在許可の申請をするということは、とてもストレスの多いこと。
わたしも今日一日、申請が済むまではこの顔↑で過ごしました。

それでもなんとか無事に申請が終わったので、忘備録的に今回準備したこと、実際行ったことをまとめておこうと思います。

これから申請予定のある、どなたかの参考になれば幸いです。

ちなみにわたしが延長申請した滞在許可の種類は「Daueraufenthalt EU」です。

Daueraufenthalt とは

日本人がオーストリアに6か月以上滞在する場合には、滞在許可の申請が必要になってきます。

学生として滞在するのか、仕事で滞在するのか、EUの人の家族として滞在するのかなどで滞在許可の種類は変わります。

その数は恐ろしくたくさんあるのですが、それについてはこっちの記事を参考にしてみてください。

ウィーンの滞在許可の種類をまとめたよ
日本の新学期は4月ですが、オーストリアの新学期は9月。夏も終わりに近づくと、ウィーンには希望を胸に抱いた留学生たちが...

わたしが今現在持っている滞在許可は「Daueraufenthalt EU(ダウアーアウフエントハルト)」というもの。

この滞在許可は、実質永久ビザと同じ滞在許可で、オーストリアで滞在許可を取得してから途切れることなく滞在許可を5年間持ち続けた人(学生滞在許可を除く)が取得できる滞在許可です。

永久ビザなのに延長申請ってなんなんだよ・・・と本当に意味不明なのですが、残念ながらこれはどうしても行わなくてはいけない手続き。

以前は一度永久ビザを取得したらパスポートに印がもらえて、延長申請しなくても一生オーストリアに滞在可能だった時代もあったらしいのですが、残念ながら今はその制度はなくなってしまったとのことです。

とはいえ、このDaueraufenthaltの滞在許可は他の学生ビザや芸術家ビザなど、ほかの多くの滞在許可が1年毎更新なのに比べて、5年に1回の更新でいいという利点があります。

1年ごとに書類をそろえて、役所に行って、お金を払って、、、

というのは本当に面倒なので5年に1度でいいというのは本当にうれしいこと。

ただ5年に1度とか、オリンピック以上の間があくのでめっちゃ忘れそう。(笑)
更新時期には注意です。

期限が切れてしまうと、また1番初めの滞在許可からやり直しです。

レベルが99まで上げた勇者が魔王の城を目の前にしている冒険の書が消えて、はじまりの町からやり直す以上の過酷さなので、実質永久ビザとはいえ絶対に延長申請は忘れないようにしましょう。

滞在許可申請の思い出の闇

わたしが一番はじめにウィーンに来たばかりのころ。
滞在許可を申請したり、延長したりするのは外人局のその独特な雰囲気ゆえに本当に苦痛なことでした。

質問があって外人局に電話しても絶対にとってもらえないし、メールを書いても返事など来たことなど一度としてありません。
そこは闇に満ちた恐ろしい場所という印象でした。

滞在許可申請当日は、外人局がオープンする前に建物に着くようにしていました。
それでもそこにはすでに長蛇の列があり、いつ自分の順番がくるか検討もつかない状態でした。

待合室に人は溢れ、椅子に座れなかった人たちは床に転がっている状態。

ようやく自分の番が来て、部屋に入り書類を提出するように言われても、恐ろしく不親切に職員にあれがない、これがない、これを外の機械でコピーして来い、と怒鳴られ再び待合室に放り出されます。

使おうとするコピー機は高く、お釣りも出ないもの。そして当然のように故障中。。
次はいつまた部屋に呼んでもらえるか全くわからない。。

そんな状態で、朝から午後まで役所に滞在していた思い出があります。
それも、書類がそろうまで何度も何度も。。

今考えてみると、ろくにドイツ語ができないが人を一日中相手にする役所の人も、ストレスが溜まっていたんだと思います。

でもやっぱりあれは行き過ぎてたな。
みんなに「豚小屋」って呼ばれてたし。
その名前、本当にぴったりだなって思ってたし。

でも、今は違うんですよ。
コロナを機に申請はオンラインで予約できるようになりました。

これさ、申請するほうだけじゃなくて、役所の人も絶対こっちのほうが楽だと思うのよ。
この役所のオンライン予約システムは思わぬコロナの正の遺産といってよいでしょう。
しかも、申請時に足りなかった書類はメールにPDFで添付してあとから送れるようになったし!

本当に本当に便利になりました。

そして最近あった内部告発のスキャンダルで、今後はもっと対応がよくなってくるんじゃないかと期待しています。

オンラインで申請の予約

Daueraufenthaltの延長の申請はこちらのホームページからできます。

https://www.wien.gv.at/amtshelfer/dokumente/aufenthalt/aufenthaltstitel/bescheinigungen/daueraufenthalt-eu.html

延長申請は、一番初めに申請しに行ったDresdnerstraßeのMA35でなく、それぞれの担当区の役所なので、間違わないように予約をしましょう。

ちなみに延長申請ができるのは期限が切れる3か月前からです。
更新ごとにお金がかかるのでぎりぎりまで待ちたいのは山々ですが、ぎりぎりまで待って予約がいっぱいで更新できなかった、、ではシャレにならないので余裕をもって予約したほうがよいでしょう。

とはいえ、一番初めの滞在許可の申請は3か月待ちがザラでも、Daueraufenthaltの延長申請は1週間後でも予約できそうなほどの余裕具合でした。

わたしはウィーン1区のZelinkagasseの役所を期限切れの1か月前に予約しましたよ。

予約が済むと

予約が済むと、指定したメールアドレスに予約日時が記されたメールが届きます。
あと、申請に何が必要か記してあるホームページのリンクも。

これさえあれば、当日予約したはずなのに「予約入ってませんよ」って言われる、ウィーンあるあるなトラブルが避けられてうれしいですよね。

予約5日前

5日後に役所を予約を控えた日の朝。

仕事で車移動中のわたしのスマホに、ピロリン♪と一通のメールが。

見ると、差出人はウィーンの外人局。
いやーな予感がしてメールを開けると、でっかいフォントの太文字に、黄色の下線が引きまくられた、脅迫文のような文面が目に飛び込んできました(笑)。

こわっ。

よみがえるトラウマ(笑)。

読み進めていくと、

「システムでは、なぜあなたが役所の予約をしたか読み取れません。あなたの住民票と現在の滞在許可証の表面と裏面、そしてなぜ予約をしたのかを書いて直ちに返信してください。返信がない場合、あなたの予約はキャンセルされます」

と書かれています。

いやいや、、、

ネットで滞在許可の申請のところから予約したやん。。。

でももしかしたらこのメールは、わたしが以前ウィーン市でなく別な州で滞在許可を申請したことから、ウィーン市のシステムがわたしを見つけ出せなかったことが原因で受け取ったのかもな。

もしも、このようなメールを受け取る人がいたとしたら、落ち着いて滞在許可の延長が必要だということを説明したメールに必要書類を写メして添付して送りましょう。

私の場合はメールを送った数時間後に「あなたの予約はそのままで大丈夫です」という返信がきました。

予約当日 入館~入室

予約当日。
わたしの予約時間は9時40分でした。

一応遅刻しないように9時20分には現地に到着。
早すぎるかな、と建物の中をのぞくと紙のリストを手にした職員が見えたので、自分の予約時間と名前を言って中に入れるか聞いてみました。

職員さんはリストとわたしの名前を照合すると、、、

ありました、ありました。
ちゃんとわたしの名前があって一安心です。

職員さんはわたしの名前の横にチェックをつけると2階に上がるように指示しました。

2階につくと、再びそこに職員さんが。

再び予約時間と自分の名前を告げます。
ここでも職員さんはリストとわたしの名前を照合し、チェックが済むと扉の中に入ってよいと許可してくれました。

厳重だな。。。
コロナのせい?

扉をくぐると、そこには受付があるのでそこで本日3回目の自己紹介(笑)。
そこでも、リストで名前をチェックされ、やっとナンバーが書かれた紙を手渡されます。

以前は待合室に勝手に入って、機械からナンバーを引くシステムだったようですが、今はその機械は使えないようになっているようでした。これも全部コロナ後のシステムなんだろうなー。

待合室は、わたしが知っているあの「豚小屋」の様相ではなく、ごく普通の役所の待合室の感じでした。

壁には各国の言葉でこんにちはが書いてあります。
日本語なかったけど。


待合室の席に座って、やっとわたしはすごく自分が緊張していたことに気づきました。

10年前のわたしはドイツ語もできず、友達もあまりおらず、本当に心細く役所に来ていたんだと思います。
あの時とは大分状況が変わったんだよなあ。。。

感慨にふけっていると、ピンポーンと音がなり、待合室にかかっているスクリーンにわたしのもつナンバーが映し出されました。



スクリーンは待合室のどこからでもよく見えるようにかかっていましたよ。
ナンバーの横に表示されている部屋番号に向かいます。

実際必要だった書類、いらなかった書類

部屋の中には二人の女性がいました。

そのうちの一人がわたしの担当で、部屋に入ったわたしを呼び寄せます。

ナンバーを渡し、用意した書類をどの順番で渡そうかな、、と考えていたところ係の女性が

「ではまず滞在許可証とパスポートからお願いします」

と話しかけてくれました。

出す書類を順に指示してくれるのか。
これは提出漏れがなくて便利だな。

と、いうのは。

ホームページに記載されている、提出すべき必要書類の情報が実に微妙だったからなんです。

ざっとまとめてみるとそこには

・申請用紙
・パスポート
・初めての申請のひとはパスポートすべてのページのコピー
・パスポート写真
・戸籍抄本、または謄本
・結婚証明書

はじめての申請の人は

・賃貸証明書または家やマンションの権利書
・家賃証明
・健康保険の証明
・収入証明
・財産証明(借金があるかどうかの証明)
・語学能力証明

とあります。

これをそのまま信じると、わたしははじめての申請ではないので

・申請用紙
・パスポート
・パスポート写真
・戸籍抄本、または謄本
・結婚証明書

だけでよいことになりますが、戸籍や結婚証明書ってもう出したことあるから登録されているだろうし、必要か・・?

で、今回必要ないって設定の書類でも、どうせ必要な書類があるんでしょ?

と心の底から疑って、とりあえずわたしは今回、上に記載されているすべてのオリジナル書類とコピー、プラスさらに

・住民票
・大学院卒業証明書
・過去三か月の給与証明
・現在の滞在許可証のコピー(表裏)
・パスポートの顔写真のページのコピー

を持って万全の態勢で出かけてまいりました。

で、以下が実際に提出した書類です。

・申請用紙
・パスポートオリジナル(その場で見せる用)
・パスポート顔写真ページのみのコピー
・パスポート写真1枚
・健康保険証の表裏のコピー
・語学能力証明のコピー
・住民票のコピー
・現在の滞在許可証のオリジナル(その場で見せる用)
・滞在許可証のコピー(表裏)

オリジナルで必要だったのは、パスポートと滞在許可証のみでした。
その次に提出したのが申請用紙。ここには顔写真を添付するのですが、それは自分で糊で貼っていかなくても、役所のほうでやってくれるということでした。
なくされるといやだから、一応裏には名前を書いておきました。

語学能力証明書は、5年前にも提出していたのですが、違う州で提出していたため、ウィーンのシステムに登録されていなかったということで、今回再提出となりました。持ってきていてよかった!

ただ、この証明書2008年発行のものだったため、期限切れということでシステムにアップロードできず係員の女性がテンパることに。
10年以上の前の語学証明は、実際は無効ということなんです。

まずい、もう一回試験受けるの。。?

と一瞬冷や汗をかきましたが、私の場合は5年前に一度別の州で提出しているという記述を添えてもらって事なきを得ました。

住民票に至っては、役所のホームページには書かれていませんでしたが持って行ってよかったです。
こちらも、前回滞在許可を申請した住所と現在の住所が違うため、念のため持って行っていたのですが、正解でした。

以下は持っていたのに必要がなかったものです。

・戸籍 結婚証明書
・賃貸証明書または家やマンションの権利書
・家賃証明
・収入証明
・財産証明(借金があるかどうかの証明)
・大学院卒業証明書
・過去三か月の給与証明

戸籍と結婚証明は、システムの中に入っていたのでいらないということでした。
結婚証明は隣の州で提出したのに、これはウィーンのシステムにも反映されてるのか。。

前回滞在許可を申請した際と住んでいる家が違うため、家の権利書と登記謄本も一応持って行ったのですが、それは必要ないということでした。

また、前回申請したときは子供が小さかったため時短で働いたので、今と収入も違っていたので念のため持って行った過去の3か月分の給与証明、そして収入証明のために持って行ったオーケストラの契約書も必要ないということでした。

大学院の卒業証明書は、名前の前に大学院を卒業した称号を入れてもらうために必要なのですが、こちらは依然住民票を取得した際に提出したものがシステムに残っていたようで、今回は提出する必要はありませんでした。

提出が済んだあと

はじめての滞在許可の申請の場合は、すべての書類の申請が終わったらその日はそこでおしまいで、もしも足りない書類があったあとはメールで送るように連絡があるのですが、今回は違いました。

今日この書類が正当なものか審査するので、少し待合室で待つように、とのことなのです。

おお、今日この時点で書類が足りてるか、足りてないものがあるのかわかるのか。

9時40分ごろ入室し、待合室に戻されたのは10時前。
ここからぼんやりと審査を待ちます。

待合室は、わたしが到着したときよりも若干混みだしていましたが、10年前に経験したようなカオスはそこになく、普通の役所の姿がそこにありました。

よく考えれば部屋の中でも、わたしは係員さんと人間として対等に話をし、システムにうまく入力ができないと焦っている彼女と冗談を言い合って笑い、この滞在許可申請の場所がもう「豚小屋」ではなくなっていることを実感しました。

当時とはシステムも、わたしのドイツ語能力も、変わったんだなあ。

待合室で待つこと約1時間。

係員の人が待合室まで出てきてくれて、2枚の書類をわたしに手渡してくれました。

「書類を審査した結果、問題ありませんでした。手数料をお振込みくだされば、滞在許可は延長されます」

とのこと。

やったー。一発クリアだ!

1枚目の書類には、今日滞在許可の延長の申請がなされたこと、2枚目の書類は手数料と振込先の記載でした。

わたしの今日訪れた役所は、その場で支払いができないので振り込みのみだそうです。
これは、役所によっては違うかもしれませんね。
費用は224,30ユーロでした。

まとめ

そんなこんなで、オーストリアでのDaueraufenthaltの延長申請が無事終わりました。

でも、実際滞在許可のカードが手元に届くまでが遠足です(?)から、まだ気は抜けないですけどね。

今後、ウィーンでDaueraufenthaltの延長申請を計画している方の参考になれば幸いです。

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