バロック音楽~歴史的背景と演奏習慣~ 

7日間ブックカバーチャレンジ3日目!

完全に楽しんでいるわたしがいます。
7日間ブックカバーチャレンジっていうか、もはや7日間ブログチャレンジになってる(笑)。

本来はブックカバーチャレンジは本のカバー写真アップだけでいいはずだったので。(笑)

まあ、楽しみ方はひとそれぞれということで。

今日ご紹介する本はこちら。

「バロック音楽」歴史的背景と演奏習慣
アントニー・バートン編
です。
本のリンク貼り出して気づいたんだけど、わたしが紹介する専門書よりの本ってアマゾンだと一時的に在庫切れ→注文確定後お取り寄せになること多いんだねー。
注文確定してから手配じゃないと採算合わないくらい需要が少ないんだろうか。。。
そうか、このジャンルはマニアックなのか。。
なんか微妙に受け入れられていない感を感じて寂しかった。。(笑)
逆に心強かったのは島村楽器さんには割となんでも在庫があったというところ。
やはり餅は餅屋なのかな。
こういうジャンルは「本屋」よりは「楽器店」を探してみた方がいいのかもしれないですね。(ちなみに私が購入したのはジュンク堂でした。)
さて、本題に戻って今日の本は昨日と一昨日に紹介した本よりもちょっと専門色が濃くなるかもしれません。
と、いうのもこの本はもともとイギリス王立音楽学校協会の学生と教師、そして試験管を対象にした手引きの本なのだそうです。
でも、海外の学校の講座内容の一部を、しかも日本語で!読むことができるのって本当にありがたいですよね。
本ってすごい。
今はネットもすごいけどさ。
ちなみに読みやすいです。
譜例も多いし、日本語版じゃなければCDまで付属しているらしい。日本語版もCD付けてほしかったなー。そこは残念。
ここを読んでくれている人は、音楽高校や大学で音楽の専門的な授業を受けたよ、って人も多いと思うんですけど、みなさん当時「様式感」みたいなことを先生から口うるさく言われた方っていらっしゃいます?
わたしはねー、いやー、ふんわりと
「ベートーヴェンはドイツの作曲家だからこうだよ」
とか
「バッハはシェリングがこう弾いてるからこうだよ」
みたいな感じで言われた記憶こそあれ、この本のタイトルにあるな「歴史的背景と演奏習慣」について学んだことは、、
あんまり、なかったような。。。。。
気がするんですよね。
いや、もう何十年も前の話だし、当時のわたしは今よりたちが悪くて人の話なんて聞いちゃいなかったから、先生たちの大事な話が右から左に筒抜けだった可能性もあるんですけど、
でも、やっぱり音楽の「歴史的背景」や「演奏習慣」というジャンルに関しては、ヨーロッパに来てからのほうが話題に上る機会が多かったと思います。
だから、すっごく新鮮で興味深かった。
もしかしたら、わたしが高校、大学生だったときはそういったことがあまり重要視されない時代だったのかもしれませんね。
この本の中でも言われているのですが、20世紀の前半までは「時代様式」という概念があってなきが如しだったそうなのです。
だから、20世紀前半では17世紀の音楽だろうが、18世紀の音楽だろうが、現代の音楽と変わらず演奏するのが普通だったのだとか。
自分の音楽スタイルが、どんな時代の楽曲にも当てはまるわけではない、と音楽家たちが気づいたのは20世紀が進んでいって、やっとのことだったんですって。
めちゃ最近のことじゃん。
でもさ、そう考えるとですよ?

バロック時代の演奏習慣に関してって、今もなおどんどん新しい考えや研究結果が出てきているわけですよね。

約束事は時代と場所の両方で変化する。そしてもちろん理論も変化する。だから現代の演奏家は同じやり方を避けなければならないのである。(~中略~)とにかく、医学と同様に音楽学(musicology)でも新しい理論が急にでてくるから、皆さん来年の解決はまったく違ったものになるかもしれないのである。

出典:アントニー・バートン編 角倉一朗訳 バロック音楽 歴史的背景と演奏習慣
と今回紹介している本の中でも書かれているように、バロック時代の音楽って古いくせにむしろフレッシュです!
なんといっても、バロック時代の音楽って一旦忘れ去られていた時代がありましたからね。
メンデルスゾーンによって再発見されていなかったら、今日の目を見ていないバロックの曲がたくさんあったはずなんです。
その途絶えていた時間に失われてしまった知識や習慣がたくさんあり、今現在進行形でそれを掘り出している最中なんです。
アップデートを怠ると
「あの人の演奏形式、古いような気がする。。」
とか
「あの先生からはその理論習わなかったなー」
とか言われちゃう可能性があるってことなんですよね。。。
こわっ!
だから、学校卒業して授業を受ける機会がなくなっちゃっても、こうやって本読んだり、公開講座なんかに顔出したりして、情報はアップデートし続けなくてはいけないなあ、と再確認したのでした。
この本では、鍵盤楽器、弦楽器、管楽器、歌唱、それぞれのカテゴリに分けられて楽器の歴史や歴史的演奏法のヒントが示されています。
また当時の記譜法やその解釈について、すべての音楽家が興味深く読める内容もありますよ~。
なにより、
昔の人は小節番号も鉛筆もなかったのにどうやって練習してたんだろうね?
とか、
昔の絵画に3人の音楽家が1つのパート譜を見てるものとかあるんだけど、これどうしてなんだろう?
とか、わたしたちの探求心や好奇心をくすぐる文句で書籍がスタートしていて、ページをめくるのがワクワクしちゃうんじゃないかと思います。
ちょっとマニアックな分野かもしれませんが、興味のあるかたは是非手に取ってみてください。

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