ある日わたしが仕事から帰ってくると、旦那が今日の天気のことでも話すように
「あ、そうそう。さっき息子ちゃんが楽器を落としてねー」
。。。。え。。。?
「なんか部品が飛んでたよー」
えええええええええええええ
慌てて息子の楽器に駆け寄ると、、、
ああああああぁぁぁ。。。。。。。
こ、駒が外れている。。。。。
こうなってしまったら、本当は楽器屋さんに持って行って調整してもらうのが一番です。
ただ、
「近くに楽器屋さんがない」とか
「ネットで買った数千円の楽器にそこまでしたら楽器より高くなるだろうし、予算が、、、」
なんて場合は、自分で直すことも可能です。
今回は自分でバイオリンの駒を立てる方法をお話しますね!
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どんな時に駒が倒れてしまうのか
そもそも、駒(こま)って何よ?
という方のために。
駒というのは、4本の弦を支えている橋のような木の板の名前です。
駒の足は接着剤などで楽器にくっついているわけではありません。
駒の上に張られている4本の弦の張力で、弦の上に立っているだけですので、衝撃が加わると倒れたり外れたりしてしまうのです。
この衝撃というのは、
というパターンが多いです。
楽器を落とすのは、やっぱり握力の少ないお子さんに多いような気がします。
うっかり楽器ケースを倒してしまうのは、大人の方でもやってしまうことがあるので、倒れないように楽器ケースは置くようにしましょうね。
他にも
ということがあります。
この二つの原因は、「もともと駒が傾いていた」ことにあると言えるでしょう。
ちょっと楽器を見てみましょう。
普通、駒の足は楽器の板に直角に立っています。
なのですが、調弦を繰り返して行くうちにいつの間にか前のめりに傾いていってしまうことがあるんです。
駒が傾いたままの状態ですと、ちょっと楽器をぶつけたり、調弦をして弦が動いた瞬間に限界がきてバタっと倒れてしまいます。
駒の倒れを防ぐため、定期的に駒は楽器に対して直角に立っているかをチェックするようにしてください。
また、お安めのバイオリンをインターネットで購入した場合、なんと駒も弦もセットされておらず、ノッペラボウの状態でバイオリンが送ってくる場合もあります。
どのケースでも、とにかく落ち着いて。
以下のように駒を立てて行きましょう。
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バイオリンに駒を立てる
駒はどこに立てればいいの?
まずは、もともとバイオリンに駒が立っており、何らかの事情で外れてしまった人は、楽器の表板に「駒の足が立っていた場所の跡が残っていないか」探してみてください。
よおおおおーく見てみると、ニスの上にうっすらと足跡が残っていると思います。あればその位置に立てるのが簡単です。
上の楽器だと、ほとんど足跡が見当たりませんね。
こんな風に跡を見つけられない、という場合、またはネットで購入したら駒が立っていない状態で送られてきた、という方は
バイオリンのf字孔のfの横線の棒のラインに駒の足を揃えるように立ててみてください。
f字孔の横線ですが、内側と外側で高さに少し差があるのですが、どちらに合わせればよいのでしょう?
こういう時は、内側の横線に合わせてあげてください。
駒には裏表がある?
左右対称のように見える駒なんですけど、よくよく見てみると片側が高くて片側が低いことにお気づきでしょうか?
この写真ですと、駒の右肩のほうが若干低いのが見て取れると思います。
まずは自分の駒のどちら側が低いかを確認してください。
E線側に低い方、G線側に高い方に駒をセットすることになりますよ~。
実際に駒を立ててみよう
もともと立っていた駒が倒れてしまった、という方は4本の弦が張りっぱなしになっている状態だと思います。
一度駒を立てやすいように、4本の弦すべてを少しペグで緩めてあげましょう。
緩めたら、弦の下に駒を差し入れます。
先ほども言ったように、駒の肩はE線側が低い方、G線側が高い方になるようにしてください。
このとき、駒の上部にある4つの溝(切れ込み)すべてに4本の弦がすべて入っていることを確認しましょう。
1万円以下で購入できるような、ものすごいお安い楽器の駒にはまれにこの溝(切れ込み)がない場合があります。(汗)
そんなもん初心者に売るな!と暴れたくなりますが、もしも運悪くそのような駒をゲットしてしまったらご自分で溝を掘るか、先生に相談して掘ってもらってください。。
駒を弦の下に差し込み終わったら、
1.駒の足をもともと立っていた跡のある場所、もしくはf字孔の内側の横線に合わせ
2.楽器の表板に対して直角
に立てます。
駒の足が楽器から浮いてしまっていたり、足がそろっていないのは(駒の右足か左足が前に出てしまった状態)うまく立っていない状態です。
正しい駒の立ち位置と立ち方が決まったら、正しい音程に戻すために弦を張って行きます。
1つの弦を一気に張ってしまうとバランスが崩れてまた駒が倒れたり、ねじれたりするので、4つの弦をちょっとずつ張りながら正しい音程に近づけていくのがコツです。
まずは真ん中の2本(A線とD線)をちょっと張り、次G線とE線を張る、と順番を決めながらちょこちょこ正しい音程に近づけていきます。
調弦の仕方は以下の記事にまとめてあります。
弦が大きく緩んでいる場合はアジャスターでは対応することができないので、記事の後半の「ペグで調弦する」を参考にしてください。
すべて4つの弦が調弦できたら、ふたたび楽器を横から見てみましょう。
駒はまだ楽器に対して直角に立っていたら、無事修復完了です!
せっかく駒を立ったけど、調弦しているうちになんか傾いてきてしまったよー!(汗)
という人は、別記事で駒の傾きの直し方をご紹介しますね。
まとめ
いかがでしたか?
ご紹介したように、楽器内の魂柱が倒れたりずれたりしていなければ、このようにご自分で駒を立てることが可能です。
ただ、派手に楽器を落としてしまった、とか勢いよくケースを倒してしまった、という場合には魂柱にもトラブルがあることもありますので、可能でしたら楽器屋さんで見てもらったほうが良いでしょう。
バイオリンの能力を最大限に引き出すためには、駒が正しく立っていることが絶対条件です。
駒が直角に正しく立っているか、定期的にチェックする癖を是非つけていきましょうね。
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