「ヴァイオリン奏法と指導の原理」ガラミアン著

7日間ブックカバーチャレンジ5日目。

このチャレンジをして気づいたことがあります。

それは、、、

わたしの持っている本の多くが、、、、

絶版になっていること!!(ノД`)・゜・。

ラインナップがどニッチなことは自覚済みでしたが、今回最もわたしが傷ついたのは、この本の日本語版までが絶版になっていること。

ガラミアン著「ヴァイオリン奏法と指導の原理」。
わたしがこれ購入したのって、まだ2,3年前だと思うんですが。。

もう中古のものしか手に入らないの!?

これは絶版にしないでほしかった!
と、心から叫びたい本の一冊です。
まあ、売れる本と良い本は全然別だってことは認めるけどさ。。
この「ヴァイオリン奏法と指導の原理」の著者ガラミアンは、モスクワでヴァイオリンを習い、ボリショイ劇場管弦楽団のヴァイオリニストとして活躍していました。
しかし、ボリシェビキ政権を避けてフランスに脱出することになったガラミアンはそこで指導者になることを決意。
最終的にはアメリカに永住し、カーティス音楽院や、ジュリアード音楽大学で教鞭を取りました。
彼の門下にはピンカス・ズーカーマン、イツァーク・パールマン、チョン・キョンファ、ジョシュア・ベル、ドロシー・ディレイなど錚々たる名が連なります。
そんなガラミアンの「ヴァイオリン奏法と指導の原理」の中には、さすが、とため息をつかされるようなヴァイオリン奏法と指導の解釈と分析が書かれているんですよ~。
7日間ブックカバーチャレンジで、すでに紹介したレオポルド・モーツァルトの「バイオリン奏法」
バイオリン奏法 レオポルド・モーツァルト
7日間ブックカバーチャレンジ4日目! テーマはぶれずに、今日もどニッチなテーマで参ります。(笑) 今日ご紹介...
とはまったく違う切り口で、バイオリン上達方法のヒントを書き知るしていあります。
バイオリンを弾くための左手の運動、右手の動き、ビブラート、音程の取り方など、必要なテクニックについて、細分化してすごく詳しく説明してくれています。
例えば「右手」についてだけでも、
・弓のもちかた
・指のばねのシステム、運動例
・トーン・プロダクション(音質、音色の作り方)
・ボーイングの形(スタッカート、フライング・スタッカート、レガート、デタッシェetc..)
・弓の返し方
などなど、譜例や写真を添えて、どんな弓の角度でどんな指の形で、どのように弾いたらどんな結果が得られるか、などについてこと細かく記してくれています。
これ、もう自分の演奏の講評がもらえなかったり、こっちから質問できないだけで、
ほぼ音大のレッスンやん。。。
という、内容の濃さ。
なんか、今久しぶりに開いたらうっかり没頭して読んでしまって時間ワープしてた。。
悪魔の本です。。。
だから絶版になったんじゃない?(違います)

内容的にはこんな感じなので、真剣にバイオリンを上達させようと思っている人は読んで絶対に後悔しない本だと思います。

ただ、結構突っ込んだ内容を書いているので、初級者よりは中級者以上の人の方が理解しやすいかも。
あと、情熱的にバイオリンの生徒を育てたいと思っている先生には間違いなく有用!
ガラミアンの「ヴァイオリン奏法と指導の原理」の中で書かれている指導方法で、読んで背筋が伸びる思いがしたのは、何もかもを規則にあてはめようとしてはいけない、ということ。
人はそれぞれ個性があり、身体的にも精神的にもみんな違うので、まずその人を知ることなしに教えることはできない、ということです。
画一的な教え方をするのではなく、いつも生徒の状態と成長を観察し、そのときそのときに合った量と種類の課題を出して、可能性を最大限に引き出すって。。
当り前のことなんだけど、なかなかできることじゃないですよね~。
子育ても然り。
今サルタートや指弓で苦労している生徒さんたちがいるので、ヒントが転がってないかもう一度この本を熟読して出直して参ります。

あ~、この本の日本語版、データでいいからもう一度出てくれないかな、、。

図書館などで見かけたら、ぜひ手に取ってみてくださいね~。

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