わが家がお引越しした時のことです。
ようやく家具も片付いて転居届も出し終わり、ちょっと落ち着いたかなーという頃、郵便受けに颯爽と舞い込んできた手紙が一枚。
それはGIS(ギス)。
出た――――!!
まだ友達にも引っ越ししたこと言っていないのになんて営業熱心なの!
ウィーンに新たにお住いになられる方は、引っ越し早々GISという場所からドイツ語ぎっしりの手紙を受け取って困惑することがあるのではないかと思います。
GISって一体何をしている場所なのでしょうか?
今回は、オーストリアのGISについてお話ししたいと思います。
※この記事は2018年の記事を2021年の情報でリライトしたものです
スポンサーリンク
GISって一体何?
このGISというやつは、日本でいうNHKのような国営放送の受信料を契約する所。
ウィーンのマンションにお引っ越しされた方は、家の壁にテレビのケーブルの接続するための丸い穴を目にすると思います。
実は大抵の場合、この穴にテレビのケーブルを接続すると、個人でGISに申し込んでいなくてもテレビが見れてしまいます。
そのため、受信料を払わないでもテレビを視聴することを実質的に可能です。
しめしめ、うふふ。。。。
、、、って、待って!
受信料を支払わずにテレビを見るのは、NGなんですよ~!
スポンサーリンク
GISと契約すべき人
オーストリアで放送受信装置を持っている人は、GISと契約する必要があります。
放送受信装置とは
・ケーブルテレビ
・衛星テレビ
・ラジオ(ラジオ受信装置が付いた機械)
・DBT-Tスティック、テレビカード、ラジオカードのついたパソコン、タブレット
のことです。
車のラジオはGISと契約する必要がありませんよ。
ウィーンの放送受信料はいくら?
オーストリア国内の放送受信料は、州によって若干異なります。
ここでは、ウィーンの放送受信料をご紹介しましょう。
一か月のラジオ、テレビの料金
テレビ&ラジオの料金 26,33ユーロ
ラジオがひと月約1000円、テレビ&ラジオがひと月約3000円。。。
これを高いととるか安いととるかは、どれだけラジオやテレビを使用するか、ですよね。。
日本のNHKの放送受信料は一か月1200円ちょいですし、クレジットカードで支払う場合や、1年まとめて払う場合の割引や家族割引きがあったりします。
でも、オーストリアにはそういったものがなく問答無用で3000円・・。
わたしはテレビをあまり見ないので、毎月高いなあと思っています。
そして、そう思っているのはわたしだけではないらしいです。
2018年2月19日、heute(ホイテ)という新聞に、ホイテが行った電話の独自調査(ランダムに500件の電話をかけて得られたもの)の結果が掲載されました。
この放送受信料をなくしてほしいと思っている人は国民の49%。
続いてできればなくしてほしいという人は21%。
あっても良いよ、という人は15%。
必要だと思っている人は13%
という結果でした。
オーストリアでは大体70%の人が、放送受信料嫌だなあと思っているんですね。
テレビやラジオを持っているだけで、使おうと使わなかろうと徴収されてしまう放送受信料に疑問を抱いているのは、どうやら日本人だけではないようですね。
受信料を払わないでこっそり使っていたらどうなる?
わが家ではおとなしく受信料を支払っているので、実際にどうなるか体験したことはないのですが、わたしの友人には
「テレビのお金払っていませんよね。今手続きすれば訴えませんから、今から払ってください」
とGISから人がやってきて、玄関先でそう言われたという人もいるので、GISのチェック要員は存在するようです。
もちろん人の家に無断で立ち入ることは不可能ですので、
「テレビもラジオもない!」
と言い張れば、中まで入ってきてチェックするようなことはありませんが、友人は「結構威圧的な態度で怖かった」と言っていました。
他にも、GISの人が家の中でテレビが付いているのを窓からのぞき見して、申し込んでもいない人の家の受信料を勝手に引き落としたというケースも知っています。(怖すぎない?)
でも実はその人が見ていたのはテレビではなく、大きなモニターでした。
その人はGISに電話をして、料金を返却してもらうために闘わなくてはならなかったそうです。
「見ていたのはモニターであり、テレビではない。証明できるからうちに来てほしい」と言ったら数か月後にいきなりアポなしで本当にやってきて、やっと料金の返却を受けられたそうです。でも相当面倒臭かったとのこと。
嘘をついてテレビをこっそり見るよりは、きちんと支払ったほうが良いかもしれませんね。
GISの申し込み方法
GISに申し込みするには、
・家に送られてきた用紙に書き込んでGISに送る
・直接GISに行って申し込む
・インターネットのオンラインフォームを使って申し込む
という3つの方法があります。
現在、この放送受信料を廃止しようという政策を立てている政党もあるようですが、逆に国営放送はテレビの受信料だけでなくストリーミングにも料金を発生させようとしてるみたいですね。
この調子だと、高くなることはあってもなくなることはないのかな~。
必要な料金はきちんと支払って、楽しいメディアライフを送りましょうね!
GIS
住所: Faulmanngasse 4, 1040 Wien(コロナの間は電話受付のみ)
電話: +43 810 00 10 80(サービスホットライン)
サービスホットラインの時間:
月曜日から金曜日 8:00~21:00、土曜日 9:00~17:00
ホームページ: https://www.gis.at/
スポンサーリンク
コメント