わたしがウィーン国立音楽大学に留学をしたのは2008年のことです。
社会人になってから1年と決めての留学でしたし(結果帰り損ねましたが)、当時はコロナウィルスなどありませんでしたので、今年留学をする予定の人よりも、ずっとずっと気軽な留学だったと思います。
それでも、言葉もろくに通じない国への留学は、果てしない冒険のように感じたものでした。
今年ウィーンに新しく留学してくる方たちは、ご両親が生活の基盤づくりに一緒に渡欧できなかったり、そもそもご本人の渡欧が認められるのにも一苦労など、さらに試練の多い留学になると思います。
そんなみなさまを少しでもお助けできればと、2021年時点で留学に必要な情報を少しだけまとめてみようと思いました。
まずは、学生用の滞在許可を取得するために必要なものを挙げてみたのでチェックしてみてください。
ウィーン Aufenthaltsbewilligung "Student" (滞在許可証(学生))必要書類まとめ
日本を出発してきてから
「あ!あれ持ってきておけばよかった!!」
と、後悔するものはいろいろあると思うのですが、まずは
「オーストリア在留資格取得に必要な書類で日本で用意できるもの」
は日本で用意してきてしまった方が楽だと思うので項目の頭に★をつけておきました。
9月に留学される方は、まだ少し時間があると思うのでまだ取得がすんでいないものがあればチェックしてみてください。
・申請書
ウィーン市のページ、以下のリンクからダウンロード可能です。
「mich」を選択すると「私のための」申請書をPDFでダウンロードできますよ。
これはオーストリアについてからでも良いでしょう。
・パスポート写真
1枚。 駅構内にあるようなスピード証明の写真で大丈夫です。これもオーストリアについてからで大丈夫でしょう。
★パスポート
これは当然お持ちの状態でオーストリアに入国されると思います。
★戸籍謄本(抄本)
外務省でアポスティーユをつけてもらったものをドイツ語に翻訳して日本から持ってきてください。
戸籍謄本(抄本)は本籍のある市町村役場で発行されます。
謄本と抄本、どっちでも大丈夫なのですが、文字数が少ない方が翻訳料が若干安いので、抄本の方が微妙にお得です。
ただし、謄本には家族全員の情報が載っています。
収入証明などをする際にお金の出所が確実に自分の両親であることを証明しなければならなくなった、などというトラブルが起きた場合は謄本の方が便利かもしれません。
でも、いまだかつてそこで問題が起きた人は見たことない、かな?
抄本か謄本かはご自身の判断で。
わたしは抄本でなんの問題もありませんでした。
アポスティーユというのはかいつまんでいうと「これちゃんとした書類だから。間違いないから」と外務省からスタンプを押してもらうこと。
手順としては、
①外務省に戸籍謄本(抄本)にアポスティーユをつけてもらう
外務省ホームページ
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/todoke/shomei/index.html
現在はコロナウィルスの影響で、郵送でのみの受付のようです。
余裕を持って申請しましょう。
②戸籍謄本(抄本)をドイツ語に翻訳してもらう
公書ですので、どこの誰だかわからない人に翻訳してもらうと認められない可能性もあります。オーストリア大使館に連絡して、ドイツ語公認翻訳士の連絡先を教えてもらうとよいでしょう。
という流れになります。
・収入証明
オーストリアで銀行口座開設後に口座の金額で証明します。年齢によって必要金額が若干かわります。
2020年時点では
24歳以上 月966.65ユーロ×12
を口座に入れる必要があります。
これは現地で準備すればよいでしょう。
・現地の健康保険
現地で加入します。多くの人がÖGKという、日本の国民保健のようなものに加入することになるでしょう。
海外旅行保険でも以前は認められることもあったようですが、現在は難しいようです。潔くÖGKに入りましょう(笑)。学生はそんなに高くないです。
現地の保険に加入するまでの期間をカバーする海外旅行保険の加入は出発前にしておいたほうがよいです。
★無犯罪証明書
各都道府県の警視庁、警察本部の鑑識課で取得可能です。三か月以内に取得したもので、こちらも書類もアポスティーユが必要です。
オーストリアについてからでも申請できますが、申請してから3か月くらいかかるので期限の意味!(汗)ってなりますし、コロナ渦の今の状態ではそもそも届くかどうか謎なので、日本で必ず用意してください。
ちなみに無犯罪証明書は開封したら無効になります。絶対明けないで持ってきてください。
・学校の合格証明書
学校に発行してもらえます。もともとドイツ語のはずなのでそのまま使えます。
★語学能力証明書
音楽大学ですとB1、普通大学ですとC1の証明書が必要です。ウィーンに来てからでも取得可能ですが、日本で取得できる状態でしたら、ぜひ取得しておくことをお勧めします!
東京、大阪にあるゲーテ・インスティテュートではコロナにも関わらず、検定試験が行われているようです。定員があるので、取得してしまいたい人は、早めに申し込むようにしましょう。
・賃貸証明書(Mietvertrag)
家を借りると、大家さんから、「確かにあなたにこのお家を貸してますよ。家はこんな感じで、こんな風に使ってくださいね。」といろいろ書かれた書類をもらうことになります。これもオーストリアについてから用意するものです。
・家賃がいくらか証明できるもの
銀行口座からいくら引き落とされているかなどで証明できます。これも、オーストリアについてからですね。
・住民票(Meldezettel)
オーストリアで住所が決まり次第、役所で発行してもらいます。
こちらも現地で手配すれば大丈夫です。
・申請料
160ユーロです。
以上!
新しい一歩を踏み出すみなさま、コロナに負けず、元気にウィーンにいらしてくださいね!
学生としていらっしゃるわけではない方は、こちらに滞在許可の種類をまとめてありますので、よろしければ参考になさってくださいね。

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