偉い人たちは結構勝手に弓を持ってるっぽいので観察してみた

最近、生徒さんと右手の弓の持ち方について議論をする機会が多いんですよね~。

特に、親指や小指の形。

あとは指弓を使うか使わないかとか。

わたしのところに来てくれる生徒さんたちの中は、もともと他の先生についていて、なんらかの事情でその先生を離れなければならなくなった、、、という事情の方も多いです。

そういう方たちからしてみれば

「前の先生は弓をこう持てって言っていたのに、なぜここではこう持てって言われちゃうの?どっちが正しいの?!」

って混乱しちゃうのは当然ですよね。

乱暴な言い方になってしまうかもしれないんですけど、わたしはぶっちゃけ

「本人がうまく弾ける持ち方ができてればそれでよい」

んじゃないかと思うんですよね~。

こういう言い方すると元も子もないけど(笑)

だって人それぞれ体の大きさとか柔らかさとか関節の感じって違いますから。

歴代の野球のバッターだって、変なフォーム!って言われてた人が、実際はめちゃめちゃたくさんホームラン打つようになったとかってあるじゃないですか。

でもね

「じゃあ結局どんな風に持ってもいいのね~」

って初心者がいきなり弓を幼児がフォークを持つみたいにわしづかみにしてしまう、とかいうのは危険だと思うんですよ。

理にかなっていない持ち方だと、後々弾けるパッセージも弾けなくなってしまいますからね。

ちなみにわたしがおすすめの弓を持つフォームは

バイオリンの弓の正しい持ち方を説明するよ
バイオリンを始めてまだ日が浅い人は、よく先生に あれ?その弓の持ち方ちょっとおかしいですねー ...

これなんだけど、あくまでもこれは基本形であって、基本を極めた後、最終的には自分の右手が一番フレキシブルに動く持ち方ができるようになればいいと思ってるんです。

ちなみに、バイオリンの大家と呼ばれる人たちは、いったいどんな持ち方をしていると思います?
今日は、彼らの持ち方に注目して一緒に動画を鑑賞してみませんか?

パールマンの場合

パールマン Mozart 「Adagio for Violin and Orchestra」

Itzhak Perlman Mozart Adagio for Violin and Orchestra

映画「シンドラーのリスト」の主題曲を演奏したことでも有名なバイオリニスト、イツァーク・パールマン

この人がバイオリンを持っていると、楽器がまるでおもちゃのバイオリンにのように小さく見えますね(笑)。
右手の小指注目してみると・・
おおっ、結構・・・

浮いていますね!

弓の元以外では、彼はほとんど人差し指のほうに重心をかけて弾いており、小指は弓についていません。
ただ浮いているだけでなくて、ぴこぴこって動いてバランスとってますねー。

指弓は、弓を返す時に衝撃を吸収するようにしなやかに使用しているようです。
それにしても美しい音色のモーツァルトですね・・!

ダビッド・オイストラフの場合

オイストラフ Debussy 「Prelude "A girl with flaxen hair "」

David Oistrakh - Debussy Prelude "A girl with flaxen hair"

ダビッド・オイストラフはロシア出身のバイオリニスト。
ソリストとしても教師としても名声を勝ち得ている素晴らしい芸術家です。

確かクレーメルも彼の門下でしたよね。

右手に注目してみると、手首も指も、まるで風に翻弄される海のさざ波のように柔らかくフレキシブルに動いているのがわかるはずです。
パールマン同様、人差し指のほうに重心が行っているときには小指が浮いていますね。
まさに「いともたやすく」バイオリンを演奏している様子が見て取れます。
本当に本当にうまいですねー!ほれぼれしてしまいます。

ハイフェッツの場合

ハイフェッツ Wieniawski 「Scherzo Tarantelle」

Heifetz plays Wieniawski Scherzo Tarantelle

ヤッシャ・ハイフェッツの名前は、バイオリンを学んで知る人で聞いたことがない人はいないでしょう。

20世紀を代表する大バイオリニストでバイオリニストの王様とも呼ばれる人です。

彼の右手の持ち方を見てみましょう。

あれっ?

思ったよりも手首や指を大きく使わず固定したまま演奏してる箇所も多いですね。

動きが速すぎて残像しか見えないところの方も多いですが(笑)彼は最小限の手首と指の動きでバイオリンを演奏しているように見えます。

でもゆっくりなパッセージのところでよーく見てみると弓の動きに合わせて、ほとんど指が受動的に「動かされている」ように使用されている様子が見て取れるのではないかと思います。

小指は所々弓から離して弾いてる部分も見られますね。

まとめ

今回は3人の大バイオリニストの演奏の様子を紹介してみました。
結構それぞれがそれぞれのフォームで、自分が一番弾きやすいように右手を使っている様子が見て取れたと思います。

ただ、共通している点として見落としてならないのは「弓を力を入れて握っている」人は一人もいないということ!

皆さんは自分がどんな風に弓を持っているか、注目して観察してみたことがあるでしょうか?

今度一度スマホなどで動画に撮ってみてはどうでしょうか?

そしてこれらのバイオリニストとどんなところが違うのか比べてみてみませんか?

きっと新しい発見があると思いますよ!

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