譜読みを始める前に必ず見るべき3つの情報

新しい曲をもらった時って嬉しいですよね。
今度はどんな曲を弾けるんだろうって、新しい本を読み始める時のようにワクワクしますよね。

早速練習するぞー!

あ、でもちょっと待って!
実は音を出す前に必ず見てほしい3つの場所があるんです。

今日は、譜読みを始める前にチェックすべき3つの情報についてお話ししたいと思います。

何調で書かれているかチェックしよう

第一に見てほしいのは、その曲が何調で書かれているか、ということ。

西洋音楽の曲には大抵調性があり、(時代によってはないものもありますが、普通中~上級になるまでそういう曲は先生からもらわないと思うので例外としておきますね)その調性を知って練習を始めるか知らないで練習を始めるかでは大きな違いがあります。

曲の調性の判断方法については、別記事にアップするので是非チェックしてみてください。

曲の調性がわかっていれば、

・基本的にどの音にどの調号がついているのか
・その曲の響き

・調性のキャラクター

がわかった状態で譜読みを始められますよね。

初心者にありがちな、「譜読みの際に調号を落としてしまう」というミスを防ぐという意味でもとても役に立ちます。

調性のキャラクターに関しても別記事でご紹介したいと思いますが、それぞれの調にはそれぞれのキャラクターが存在しています。

調に性格があるってこと?

そうなの。例えば変ロ長調は「高貴だけど、キラキラしてない調」とか、嬰へ長調は「悲劇的な調」とかそんな感じなんです。

そういったイメージをもって練習をし始めると曲の理解も速いんじゃないかと思います。

また、音楽理論や曲の構成を学び始めれば、大体その曲がどう展開していくのか予想がつくようになると思います。
予想通りの展開にならない場合は、その驚きをどう表現すべきか、といった一段深い音楽の解釈の足掛かりになるでしょう。

何分の何拍子で書かれている曲なのか

その曲が何調でかかれているかチェックしたら、今度は拍子をチェックしましょう。

その曲の拍子は、曲の一番初め、ト音記号と調号のすぐ隣に書いてありますよ。

この楽譜だと4分の3ですね。
拍子の種類については、こちらもまた別記事で紹介していきたいと思います。

ちなみにバイオリンを続けていれば、いつかきっと曲の始めではなく、曲の中に拍子記号が出現するのを見る日がくると思います!
これは、曲の途中で拍子が変わることを示します。

何分の何拍子かわかった上で練習すれば、リズム間違いを防ぐ手助けになります。例えば、

3拍子の曲なのに4拍入っちゃった?どこか違ってたのかな?

となってくれるからです。

拍子は一小節に何拍あるかを示すだけのものではありません。
拍子が曲想を決める手掛かりになってくれることもあるんですよ。

例えば、4/4の曲と2/2の曲があったとします。

4/4とは一小節に4分音符が4つ入る拍子です。
2/2とは一小節に2分音符が2つ入ります。

え?2分音符1つは4分音符2つと同じ長さだから。。

そうなんです。どちらの曲も、1小節に入る長さは4分音符が4つ分なんです。

じゃあ、なぜわざわざ4/4と2/2、二つの違った拍子があるの?

それは、4/4は4拍子。2/2は2拍子という大きな違いがあるからなんです。

例えば、この図を見て、自分が音符から音符に渡ってピョンピョン跳んで移動するイメージをしてみてください。

移動距離は両方とも一緒です。
でも、上の4分の4では一小節に4回「ぴょんぴょんぴょんぴょん」と区切って飛ぶことになります。
それに対して下の2分の2では「ぴょーん、ぴょーん」と2回大股で跳ぶ感じのイメージになりませんか?

音楽もそんな風に進みます。4拍子よりも2拍子の方が細かく区切られることなく進むので、颯爽とした印象になりますし、テンポも速めに設定されることが多いんです。

拍子って奥が深いですよね!

速度標語(速度記号)、発想標語をチェックしよう!

調号、拍子のチェックが終わったら、今度は速度標語(記号)や発走標語をチェックしましょう。

速度標語(記号)

速度標語ってどこに書いてあるの?

楽譜の一番初めの小節の上側を見てください。

5線の上に「Allegro」(アレグロ)って書いてありますよね。
これが速度標語です。

この速度標語は多くの場合イタリア語で書かれているので、イタリア語がわからなければついつい読み飛ばしてしまいますよね。
わたしの生徒さんたちの中には、わたしが言うまでこの速度標語が存在していることすら気づいてなかった人たちもたくさんいました(笑)。
曲の冒頭に書かれているのに、なんてかわいそう。
ちゃんと読んであげてくださいねー。(笑)

これを読むか読まないかで、曲の印象がガラリと変わることもあると思いますよ。

例えば、ブラームスのバイオリンソナタ1番「雨の歌」1楽章。
速度記号に気を付けずに譜読みをすると、朗々と歌うようにゆったり演奏したくなる曲です。
でも、実際の速度標語はどう書かれているでしょう?
ブラームスはこの速度標語によって、弾き手に何を伝えたかったのでしょうか?
ぜひ考えてみてくださいね。

ちなみに、イタリア語でなくて、♩=60のように数字で書かれているのを見たことがあるのですが。

はい!それは正確なテンポを示す速度記号ですね。
Largo(ラルゴ)やAllegro(アレグロ)などの速度の指示は結構ふんわりしているんです。

たしかに「幅広く」とか「快活に」みたいに言われても、「ゆっくり気味なんだろうな」とか「速めなんだろうな」とは想像できても、実際正確なテンポってわからないじゃないですか。

でも、♩=60のように書いている場合は「数字の部分(これなら60)が1分間に打たれる回数」を示しているのでテンポをきっちり指示してきています。

えっと。。1分間に60回打たれる速さって言うと。。?

とっさに言われてもわからないですよね。

例えば、♩=1なら1分間に1回ずつ手を打ってみてください。
・・恐ろしくゆっくりなテンポですよね(笑)
♩=2なら?
1分間に2回手を打つから・・つまり30秒に1回ずつ手を打つテンポです。
これもスゴいゆっくりですよね。

あ、そういうことか。じゃあ♩=60は、1分が60秒なんだから1秒に1回手を打つ感じになるのかしら?

そうそう!秒にして考えると、どれくらいのテンポか想像がつきやすくなりますよね。

とは言っても、人間の感覚というのはいい加減なもの。
速度記号を楽譜で見つけたら、是非メトロノームでその速さを確認してみるようにしてください。
難しい箇所も、そのテンポで弾けるでしょうか?
弾けるようになるまで、メトロノームを使って練習をすると良いですよ。

発想標語

この曲には速度標語の他にも、なにかイタリア語で書いてあるみたいだけど。。

そうなの!速度標語と発想標語が一緒に書いてあるわね。Allegro giocoso(アレグロ・ジョコーソ)!

2つある単語のうちの一つ目は速度標語Allegroです。
これは速いテンポを指定しています。
2つ目の単語giocosoは「おどけて、滑稽に、戯れるように」などという意味があります。

と、いうことはこの曲はゆっくり悲しげに弾いたりするのではなく、快活に朗らかに表現するべきということです。

もしも楽譜に音の高さと長さ、そしてテンポだけが書いてあるだけだと、曲は弾けたとしてもどんな雰囲気で弾いたらいいのか迷うこともあると思うんです。

発想標語はそのわからない部分を補ってくれる情報なんですね。

作曲家の意図をくみ取るためにも是非是非チェックする癖をつけましょう。

発想標語のリストもいずれ別記事でアップしたいと思います。

まとめ

新しい曲を弾き始める際にチェックしてほしい3つの点
・何調か
・何拍子か
・速度標語(記号)と発想標語
ぜひ注目して練習してみてくださいね!
きっと曲の理解度が深まるのではないかと思いますよ。

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