バイオリンの弓の正しい持ち方を説明するよ

バイオリンを始めてまだ日が浅い人は、よく先生に

あれ?その弓の持ち方ちょっとおかしいですねー

って突っ込まれることありませんか?

はい。力を抜いて持てと言われるのですが、力を抜くと弓が落ちてしまいそうで心配で。。。

うんうん。ですよね。
たしかに自然に弓が持てるようになるまでには少し時間がかかるかもしれません。
でも、弓の持ち方が不自然だと将来的に必要なテクニックに障害が出る可能性があります。
今日は、バイオリンの弓を自然に持つ方法について考えていこうと思います。

バイオリンの弓の持ち方

弓の持ち方には国や時代、流派によっていろいろあります。
そのため「この持ち方が正しい!」と断言することはなかなか難しいんです。
というわけで、今回はわたしが個人的にお勧めする弓の持ち方の形をご紹介しようと思います。スタンダードな持ち方で、様々なテクニックに柔軟に対応できると思います。

基本的な手の形

ざっくり言うと、手で丸く筒を作ったようなこの形。

ずいずいずっころばしの指を受ける方の手、というか子どもが目に当てて「望遠鏡―」と言ったりする、あのシンプルな手の形です。

こんな感じで持てれば最高です。

この手の形できますか?

当たり前です!弓さえ持ってなければ簡単にできます!

ですよね(笑)。
でも、まずはこの手の形を覚えることが大事なので、だまされたと思って弓無しでこの筒の形を右手で作ってみましょう。

どうですか?覚えました?

では、弓を持っていてもふんわりと丸い形を崩さないで持てるように練習していきましょうか。

鉛筆を使った弓の持ち方の基礎練習

弓って結構重たいんですよね。平均60gくらいあります。
卵より重いじゃん!
それは持つのが難しいはずです。

なので、まずは弓ではなく軽くて短い鉛筆を使って、弓を持つ準備練習をしてみたいと思います。
今ちょっと近くに鉛筆がなかったので、写真ではペンを使っています(笑)。要は鉛筆のような形状のものならなんでもいいです。

1.右手を手の平を上にして開いてください。その際、すべての指をピンと伸ばすのではなく、力を抜いてすべての指の関節が少し曲がった状態にしましょう。
「お小遣いちょうだい」とやるときのあの手です(笑)。

2.人差し指、中指、薬指の第一関節の上に鉛筆をのせてみてください。
小指は短いので、指先に鉛筆が触れている状態になっていますよね。

3.中指に対になる位置の鉛筆の上に親指をあてます。
その時、親指の第一関節が曲がった状態であてるようにしてください。

4.そのまま手をくるんとひっくり返して、手の甲が上に来るようにします。

どうですか?上記の写真のような形になっているでしょうか?

このとき、親指や小指がピンと伸びたり、関節が反対側に反るような形になっていたら、また1に戻ってやり直してください。
1の状態で右手の関節がすでにふわりと曲がっていること、3で親指の第一関節を曲げて持つことが上手に持てるコツです。

手の形をキープする練習をしてみよう

じょうずに持てたら、次はこのままの手の形をキープする練習をしてみようと思います。
今できた手の形のまま、今度は鉛筆を立てるように持ちます。
まだ丸いですか?望遠鏡の手ですか?

ロケットの練習

では、鉛筆を持ったまま右の手を下から上にあげてみましょう。
こどもたちは「ロケットー!」とか言うと喜んでやってくれますね。
大人は、、、童心に返ってやはりロケットのつもりで(笑)。

では、上げた手を今度は元の位置に戻しましょう。
ロケットの地球帰還です。
さて、帰還した際の手の形はどうですか?

まだ丸く望遠鏡のように持てていますか?
出来ていたら、もう一つ違う動きをしてみましょうか。

観覧車の練習

ロケットの練習と同様、鉛筆を立てて持ったまま、手を体の正面でぐるぐる回します。観覧車のように大きく円を描いてください。
小さなこどもは観覧車を知らないこともあるので、そういうときは「おうちの時計の針をまねしてみよう」というと喜々としてやってくれます。
ときどきデジタル時計しかない家の子もいますが(笑)。

ぐるぐる3回転くらいしたところで、ストップ。
さて、指の形はどうですか?
まだ望遠鏡でしょうか?

崩れていたら、崩れないように意識しながらこの練習を繰り返してみましょう。

実際に弓を持ってみよう!

鉛筆を持った手の形がロケットや観覧車の練習で振り回しても崩れなくなったら、いよいよ弓を持ってみますよー。

基本はさっき鉛筆でやった持ち方を弓でやればできるはず。。なのですが、手をひっくり返す段階で形が崩れてしまう人も多いので(笑)もう一つ違う持ち方を紹介しておきますね。

1.まずは幼稚園などでやったうさぎさん(きつねさん?)の形を右手で作ります。

2.弓の少しくぼんでいるところに親指をあてましょう。そして、弓をニンジンに見立てます。親指がうさぎさんの下あご、中指と薬指が上あごと考えて、うさぎさんがパクッと噛みつくように持ってみます。
中指と薬指の第一関節が木に触れるように持つようにしてみてください。
このとき、人差し指と小指はまだ浮いています。

3.それができたら、人差し指の第一関節と第二関節の間を木にあてるようにおき、小指は指先をちょんと木の上に置くように持ってみてください。

中指と薬指が近く、小指と人差し指は中指と薬指からちょっと離れる感じでもつとバランスが良くなると思います。

これでできあがりです。

簡単、、、じゃないことは知っています(笑)。
すぐにはできなくても大丈夫。

手の形が崩れてきたな、と思ったらこの手順を踏んで直し続けることが上達のコツではないかと思います。

よくある不自然な(力の入っている)弓の持ち方

気を付けていても、すぐにはきれいにもつことができないもの。
今回は、バイオリンを始めた方が良く陥りがちな力の入ってしまっている右手の形も紹介しますね。

小指が突っ張っている


この形、すごくよくありがちです。
そして根深いので、なかなか治らないのですよー(涙)。

原因としては

・親指の関節が伸びている
・手首を吊り上げるようにして弓を持っている
・中指と薬指の第一関節が木に当たっていない

などなどありますが、まあ体全体に力が入っちゃってることがやっぱり大きいかな。。。

小指を突っ張ったままで弾くと、右手のしなやかなスプリングが使えずに、弓が着地した際に「がつっ」という残念な雑音がすることがあります。(涙)

なので、ぜひぜひ小指は必要な場所で必要な力以外は入れないように。基本はふんわりと丸く木の上にのってる形を心掛けてみてください。

親指の関節が伸びている、逆反っている


これもよく起こりがちな形です。
一件綺麗に持てているように見えますが、親指の第一関節が丸くなっておらず、太鼓橋のように反対方向に反っているのがわかりますか?

こういう形になってしまうと、右手はクッションがなくなってしまい音が固くなってきてしまいます。ガツガツした音色になりがちですし、そのまま弾き続けていると親指が痛くなってくるはずです。

この形になるのは、たいてい右手に力が入りすぎてしまっているのが原因です。
力でねじ伏せて音を出そうとするのではなく、バイオリンが気持ちよく振動する場所を探して響かせてあげるつもりで弾いてみてください。自然に親指がふんわり丸まってくるのではないでしょうか?

中指と薬指が木の上にのっている


まさかと思うのですが、何故かよくあるのがこの形。(笑)

これ本当に弾きやすいのかなー、と思ってマネしてみたら、結構バランスとれてて笑いました(笑)。

とは言えこの形だと、将来的に指のバネ(指弓)を使うことができないので、是非中指と薬指はもうちょっと深く持つようにしてください。

中指と薬指の第一関節が木に触れる感じを意識するといいと思います。

まとめ

自然な形に見えて、結構奥深いバイオリンの弓の持ち方。
一朝一夕ではなかなかできないものだと思います。
辛抱強く、自分にぴったりとあったフォームを求めて研究を重ねていってくださいね。

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