テレビでオーケストラの演奏なんかをみていると、バイオリン奏者の弓がみんな同じ動きをしていて美しいなーって思うことありませんか?
あのようにみんなで弓順をそろえることができるのは、弓の順番を決めるルールがあるからなんです。
わたしたちはそのルールを「弓順」または「ボウイング」と呼んでいます。
そのルールを知らないで弾いてしまうと、オーケストラなどみんな一緒に弾くような場面で、一人だけ反対の弓で弾いてしまい恥ずかしい思いをするので(笑)、ぜひ基本的なルールを覚えておくようにしましょう。
今日はバイオリンの弓順の決め方の基本についてお話ししたいと思います。
スポンサーリンク
アップとダウン
バイオリンの弓の進行方法は二つあります。
もう一つはダウン
アップは下から上(左から右)に向かっていく弓の動きで、
ダウンは上から下(左から右)に向かって下がっていく弓の動きです。
アップとダウンにはそれぞれ記号があり、
ダウンはП
という記号で示されます。
アップ、またはダウンを楽譜で指定されている場所は、その弓の方向で弾くようにしましょう。
何も書いていない弓はどっちの弓で弾いたらいい?
アップとダウンがわかったところで、お手持ちの楽譜を見てみましょう。
楽譜の中にアップやダウンと指定されている音もありますが、多くの音は何も指定されていないことにお気づきでしょうか?
ではこの、何も書いていない音は果たしてアップとダウン、どちらで弾けばよいのでしょうか?
熟練してくれば、何も書いていなくても音楽的、または技術的ににアップかダウン、どちらを選び取ればよいかわかってきたりします。
でもバイオリンを始めたばかりの方は、基本以下のルールで弾いてみてください。
・スラーがついていたら、スラーでくくられた音を一弓で弾く
これだけ!
簡単でしょう?
質問です。スラーってなんですか?
音符と音符を結んでいる半円の橋みたいなマークありませんか?それがスラーです。
ドシラソの4つの音がスラーで結ばれていますね。
その通り!だからこの4つの音は、すべて1弓で弾くんです。
ルール、わかってきたんじゃないでしょうか?
初心者が使う教則本には、基本的にキーになる音にはアップとダウンが指定されて書かれています。
それ以外の音は上記のルールで弾けば、つじつまが合うように書かれています。
では、ちょっと例題を出してみちゃいますね。
第一問!
一つめの音にはダウンが書いてありますね。
何も書いてなければ一弓で一つの音を弾くのだから。。。
そうです!正解は
こうなりまーす。
弓の動き方は、奏者から見てド→シ←ラ→ソ←となります。
では第二問!
今度はアップから始まっていますね。
でも、基本的なルールはさっきと同じですから。。
そうです!アップから始まっても一弓一音のルールはそのままですので、
これが正解!
弓の動きは奏者から見てド←シ→ラ←ソ→です。
ここまでOK?
では、スラーの入ってくる例を見てみましょう。
第三問!
えーと、スラーでつながっているドとシは一弓ですよね。それ以外は一弓一音なので。。。
はい!その通りです。正解は
こうなりますよ~。
めっちゃ考えると理論は理解できますが、体が思ったように動かないんですが、、、、、
元も子もない言い方して申し訳ないですが、それは
慣れです。(笑)
たくさんの曲を弾いているうちに、必ず自然に体が動くようになるので、はじめは大変かもしれませんが練習を続けていきましょう。
スポンサーリンク
いつも弓順をミスする箇所はどうすればいい?
なぜなのかわからないんですが、いつも同じ場所の弓順を間違えてしまうんですーーー!
という方いませんか?
心配しないでください~。
結構みんな同じ問題を抱えているんです!
どうしても弓が反対になってしまう場所は、もしかしたら人間の体の動き的に、間違えている弓の方が自然なのかもしれませんね。(笑)
そんな風に慰めてもらったところで、やっぱり正しい弓で弾かないと、そのあとつじつまが合わなくなってくるんです、、、。
そうですよねー。
多くの場合、弓順間違える場合ってもともとアップやダウンの記号が書かれていない場所ではないでしょうか?
わたしは、慣れるまではそこにどんどんアップダウンを書き込んでいっちゃっていいと思うんです。
書き込む時に、「ここは間違えやすいな」って頭にインプットされるし、弾いている時もアップやダウンの記号が目に入るだけで体が素早く反応してくれる場合もあるので。
ある程度曲をこなして行くと、どんどん書き込む必要のある音が少なくなっていきますよ。
何度も何度も間違えた弓で弾くということは、間違える練習をしているようなものです。
書き込むことに抵抗がある方もいるかもしれないのですが、間違う練習を繰り返してしまうよりは、書き込んでしまうことをわたしはお勧めします(^^♪
バイオリンの初級教則本を抜け出したなら
今回お話ししたルールは、初心者さん向けのルールです。
ある程度難しい曲を弾くようになってくると、どこにもダウンやアップの書いていない楽譜に出会う日もあるでしょう。
また、「何も書いてないけど、ここスラーでつないで弓順を調整した方が音楽的なんじゃない?」なんて疑問に思う日もくるでしょう。
そんなときは、先生がいる人は先生に相談してしてみたりするとよいでしょう。
最終的にはご自分の今まで積んだ経験や知識に則って、音楽にふさわしい弓順を自分で選び取ることができるようになるところを目指さなければならないんだと思います。
バイオリン中級者以上の、ボウイングの決定方法のアイディアはまた別記事で紹介させていただきたいと思います。
まとめ
いかがでしたか?
引っ越しなどが原因で先生を変えることになって、途中からわたしのところに習いにくる生徒さんで、結構弓が不規則に動く方がいらっしゃるんです。
「どうしてなのかな?」とすごく不思議に思っていたのですが、このルールを知らない人が多いということに気づき、あまりに驚いたので記事にしました。
先生たちにとっては、あまりに当たり前すぎるので、教えるのを忘れるのかもしれない。。(笑)
この記事を読んでくださった方は、今日から是非弓順を再確認して演奏してみてくださいね!
スポンサーリンク
コメント