バイオリンの弓の扱い方、準備、片付け方について書いていくよ

本当にあった恐ろしい話なんですけどね。。。

先日、生徒さんのためのバイオリンをインターネットで探していた時のことです。

とあるネットショップでお手頃な値段を楽器があったので、レビューを確認しようとクリックしたところ、衝撃的な文章がわたしの目に飛び込んできました。

『★1つ。弓の毛がたるんでいてバイオリンを弾くことができません。』

。。。。。。ふぁっ!?

いや、もう思わず声出ちゃいましたよ。

コメントに添えられていた写真は、単に毛が緩められたバイオリンの弓。

いやいやいや、それで正解ですからーーー!!

低評価を付けられてしまったそのネットショップに深い同情の念を抱きつつもわたしは思いました。

例えば今わたしが釣り道具一式注文したとします。

釣り道具なんて見たことがなければ扱い方なんてまるでわかりません。

だから、もしも自分の頭の中にあるイメージの「釣り竿」と違う形状のものが送って来たら「不良品」と思ってしまう可能性はあると。

と、いうわけで、今回ははじめてバイオリンを手にする方のために最低限知っていてほしいバイオリンの準備や取扱い方をお話ししたいと思います。

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バイオリンの弓の準備のしかた

1.弓を張ろう

まず、弓を購入した時点で、弓はこのように毛が緩んだ状態でやってくると思います。

当然、このままで楽器を弾くことはできません。
木で弦を擦る羽目になると思います(笑)。

弓の一番元にあるネジで、弓の毛を張っていきましょう。

この写真で言うと、白い部分なんですが弓によって素材は違うので色が違うこともありますよ~。

バイオリンの弓って、一体どのくらい張ったらいいんでしょう?

そうそう。微妙でわかりづらいですよね!

バイオリンの弓は張りすぎでも、緩みすぎでもうまく機能してくれません。

大体毛と木の間が1センチくらいかなー?

あ、でも弓って反っているので元や先よりも、真ん中の部分の方が毛と木の間隔が狭くなりますよ。

真ん中が1センチくらの間隔になるまでネジを巻いてみてください。

毛が緩みすぎの状態でバイオリンを弾く人はあまりいないのですが、弓の毛と木がほとんど平行になってしまうくらいパンパンに張ってしまう人は、結構多いです。

弓の毛を張りすぎてしまうと、演奏時に弓の弾力が足りず打撃音が鳴ってしまったり、弓の反りに悪影響を与えたりしてしまうので、張りすぎには注意するようにしましょう。

ただし、お安めの弓を使っている場合、弓をパンパンに張らないとどうしても木に毛がついてしまう、、という方もいらっしゃるかもしれません。

それは残念ながら弓の強度不足ですので、木と弓を平行近くまで張って演奏する必要があります。

2.松脂を塗ろう

演奏前には、弓の毛に松脂を塗るようにしましょう。

松脂は、購入時にセットとしてついてくることも多いのですが、もしも付属していなければ必ず購入するようにしてください。
種類はいーっぱいあるのですが、例えばこんな感じのものです。

一度買えば、落としてバラバラにしない限り、永遠に使えそうな減り方しかしないはずです(笑)。

松脂はどのくらい塗ったらよいのでしょうか?

何グラム、とか何往復、のように具体的に言えればよいのですが、実際これは弓の毛の状態によって異なってきます。

弓を毛替えしたばかりで、楽器屋さんが松脂を塗り込んでくれていない場合などは、バイオリンを弾こうとしても弓が弦の上でつるつる滑ってしまい、一向に発音できないことがあるかもしれません。

インターネットなどで購入したばかりの弓でも、同じことが起こることが多いです。

このような場合は、まずは念入りに弓の先から元まで何往復も松脂を塗り込んであげるとよいでしょう。

たくさん松脂を塗り込んだ直後は、演奏した後に弦や弦の下の楽器の上、指板の上に松脂の粉が雪のように積もってしまうと思います。

そんなときは、弦、指板、楽器の表板すべて、白くなっているところを練習あとにふき取ってあげることを忘れないようにしてください。

どんなものでふき取ればよいでしょう?

楽器店に行けば、楽器用のクロスが売っているんです。が。。。。

こういう楽器店で売っている弦楽器用のクロスは、ギターなど松脂を使わない楽器にはお勧めなのですが、実はバイオリンにはそこまでお勧めではないとのこと。

と、いうのはクロスはお洗濯には向かない布なので、汚れたまま使用すると結局松脂を楽器になすり付けることになってしまうのだそうです。

バイオリンを拭くのにお勧めな布は、シンプルなハンカチやガーゼということですよ。

これならおうちにもあるので、便利ですね!

ハンカチやガーゼがない場合は、ティッシュでもよいのでしょうか?

本当に何にもないときの応急処置として、ティッシュで松脂をふき取るのは大丈夫です。

でも、ティッシュは固くてニスに傷をつけてしまい、かえって松脂を付着しやすくしてしまう恐れがあるそうです!そのため、いつもティッシュを使うことは避けた方が良いとのことです。(2020年6月2日追記)

布を使う場合、松脂でべたべたしてこないように、布をマメに洗濯するようにしましょう。

さらにパーフェクトを求めるなら松脂を拭き取るものと、楽器の板を拭く布を分けてあげると楽器の美しい状態を一番よく保てるでしょう。(2020年6月2日追記)

一度しっかり弓の毛に松脂がなじむと、毛が弦を摩擦するようになり音が出るようになるので、次からはそんなに塗らなくても大丈夫になります。

そうなってくれば毎日練習を始める前に2往復くらい塗ればよい感じになると思います。

弓の真ん中だけでなく、先や元にもしっかり塗ることを忘れないようにしましょうね!

弓の片付け方

1.弓の棹とフロッシュ(毛箱)を拭こう

忘れがちなのが、この「弓のお掃除」

練習が終わったら、必ず弓の棹(木の部分)を拭く習慣をつけるようにしましょう。

お掃除しないと弓の棹も松脂で真っ白になってしまいます。

拭くのは棹の部分だけでいいんですか?毛は拭かなくてもよいのでしょうか?

はい!

毛の部分は布などでふき取る必要がありません。

弓でお掃除するのは棹(木)の部分、そしてフロッシュと呼ばれる毛箱の部分です。下の写真だと紫で印がついている部分です。

フロッシュには松脂が付着するわけではないのですが、練習中の汗がついてしまうので、しっかりふき取るようにしましょうね。

さらに手によく汗をかくひとは、ネジを緩めきってフロッグを取り外し、出てきた金属部分も拭いてあげるとよいでしょう。(2020年6月2日追記)

弓の毛はふき取らないでよい、というよりはふき取ってはいけない、と言った方がよいくらいでしょう。

毛にゴミが付いてしまったりして、演奏に支障がでたりしてしまいます。

毛の部分は、できるだけ触らないようにしましょうね。

2.弓を緩めよう

弓の木を綺麗にお掃除したら、弓をケースにしまいます。

しまう前に必ず忘れてはならないことが

弓をゆるめること!

これ、忘れちゃう人結構多いのですが、絶対緩めるようにしましょうね。

弓の毛を張りっぱなしにしておくと、弓の反りに悪影響を与える恐れがあります。

弓の毛を緩めるためには、弓の元部分にあるネジを、くるくると時計と反対向きに巻き戻していきましょう。

弓を張るときもどれだけ張ったらいいかわからなかったけど、弓を緩めるのもどれだけ緩めればいいかわからないです。。。。

そうですね。

緩め方としては、あまりびよびよになるまでは緩めず、ふわっと緩む感じでオッケーですよ。

あまり緩めすぎると、弓をしまう時や取り出すとき、弓の毛がケースに引っかかって切れたり、伸びたりする恐れがあります。

また、ネジを延々と緩めていくと、そのうちスポっとネジが外れて、弓の毛がぶらーんと外れることになり大パニックになります(笑)。

うっかりそうなってしまっても、またネジを入れて巻けばいいのでパニックにならないでね。

でも、緩めすぎには気を付けましょう。

3. 弓をケースにしまおう

この「弓をケースにしまう」動作は、何気なく行ってしまうのですが、慣れてくるまでは是非気を配って頂きたいポイントがいくつかあります。

★弓がきっちりとまっているか

ケースによって、弓の片付け方はそれぞれですが、ネジタイプの弓止めが付いているケースの場合は、ちゃんと弓がとまっているかチェックするようにしましょう。

弓止めが回っていないと、ケースを持ち歩いたときに弓が外れて楽器の上に落ちたりして、楽器を傷つける恐れがあります。

この状態だと、普通に弓が落ちますよね(笑)。

なので、黒い部分をひねって、このようにきちんと弓を止めましょう。

★弓が無理なくきちんとおさまっているか

小さなお子様ですと、ときどき「ケースの中に入っていればよし!」的な片付け方をすることがあります(笑)。

例えばこの写真のしまい方にはヤバい点が2つ(笑)
どこだかわかります?

1つ目は、弓の頭と元が反対
2つ目は、弓が斜めに入っている

です。

正解のしまい方は弓の先の部分がしっかりカバーされた状態になっており、まっすぐ1つのラインに弓を収める方法です。

小さなお子様が自分で楽器をしまう場合、ちゃんとしまえているか最後にお母さん、お父さんがチェックしてあげるとよいでしょう。

まとめ

以上、バイオリンの弓の扱い方、準備の仕方、片付け方でした!
いかがでしたでしょうか?

大切な弓を、長く良い状態で使うためにも、ぜひ扱いには気を配っていきましょうね。

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