約3ヶ月半の演奏会自粛期間を経て、ようやく!
仕事が再開しました!
オーストリアでは、6月の半ばごろからボチボチ他のオーケストラも観客数を絞って演奏会を始めていました。
コンサートホールのチケット売り場では、1メートルの間を開けて並ぶお客さんたちも目にしていたので、「うちのオーケストラもいよいよだなー」とワクワクしていたんですよね。
ちなみにこちらは楽友協会のチケット売り場前の看板。
間隔あけて、マスクして並んでねって書いてありますね。
さて、トーンキュンストラー・オーケストラの記念すべき再開第1回目の仕事はCDレコーディング。
ニューイヤーコンサートのレパートリー曲を収録です。(季節違い(笑))
レコーディングは、ウィーンから1時間ほど離れた郊外の町グラーフェネッグで行われるため、私たち音楽家は「オケバス」に乗りあわせて移動。
なんかネコバスみたいな響きだけど、単にオーケストラバスを略してるだけです。(笑)
バスの中ではマスク着用義務があります。
ウィーン市内の公共交通機関の中では、もうマスク着用義務を守ってない人も多いのですが(涙)、オケバスでは皆着用していました。
ホールにつくと、楽屋には。。。
おー!!
部屋に入れる人数がバッチリ記載されている!
今まではホールに一番近い1階の楽屋が一番人気で、その部屋はすごい人口密度だったのですが、感染防止のため女性楽屋は1階、男性楽屋は2階、ときっちり分けられたようです。
ホールに入ると、配置もいつもと違うことが一目瞭然。
普段弦楽器は、1つの楽譜を2人の奏者でシェアするのですが、密を避けるために1人1プルトになっています。
指揮者台も、若干遠い。。。
録音はヨハン・シュトラウスの「チク・タク・ポルカ」から始まりました。
彼の有名なオペレッタ「こうもり」のメロディーが出てくる大人気のポルカです。
が。
このポルカ、曲の最後に「チク・タク・チク・タク・・・」ってみんなで喋らなくちゃいけないのよね。。
えーと、声に出して大丈夫かな、コロナ的に。。?
と困惑する私たち。
舞台上では、マスク着用義務がないため、誰もマスクをつけていません。
「えーと、歌うんじゃなくて喋るんだから大丈夫!」
というわかるようなわからないような説明で喋る許可をもらい、無事にチク・タク・ポルカは収録することができました。
でも、レコーディング中に
「そこのチク・タクはただ喋るんじゃなくて、AかFisの音程を付けてお願いしまっす!」
という指示が録音技師から出たので、音程つけてしゃべる=なんかもう、結局歌ったのでは。。(笑)。
ダメ押しに、次の収録曲ヨハン・シュトラウスの「エジプト行進曲」では。。。
laーlaーlaーla
明らかに歌えと書いている(笑)。
これはもう歌わないとダメなやつなんで、みんな諦めて歌いました。
今日6時間を費やして収録した曲は、「チク・タク・ポルカ」、「エジプト行進曲」、「シャンパン・ギャロップ」、「愛の挨拶」、「美しき青きドナウ」、そしてお馴染み「ラデツキー行進曲」。
ニューイヤープログラムのセカンドバイオリンパートの録音は、リズムと和声をひたすら刻みまくりの作業なので体が痛くなりました。(笑)
録音は金曜日まで続く予定。
土曜日は定期会員さま向けのコンサートです。
一時は1日5人までコロナの新規感染者が減ったウィーンですが、規制緩和で、再び100人を越えるようになっています。
クラスターの発生した上オーストリア州では、それを受け、急遽コンサートが中止になったり、学校や幼稚園が閉まったりしています。
どうにか、普通の生活が戻って、普通にコンサートできるようになればいいんですけど。。
東京も感染者が増えているとのこと。どこの国も先行き不透明ですね。。
なんにせよ、今日できることを、やるしかないんですよね。
コメント
オーケストラ再開されているのですね!
日本でも、6月下旬から聴衆を入れた演奏会が再開されています。定員の半分まで、といった様々な制約はありますが。
佐渡監督は、長雨のあとようやく晴天となった東京で、ベートーヴェンのコリオランと交響曲第7番。
いまはどのオーケストラも熱い演奏を繰り広げていますが、ひときわ力強く、そして心震える音楽でした。
Akiraさん、メッセージありがとうございます。日本でも、手探りでコンサートが再開されたようですね。
以前のように大編成の曲を満員のお客さんの前で弾く日が訪れるのは、もう少し先のことになりそうですね。。
佐渡監督の演奏、聞きたかったです!