ウィーンで深夜に無料の往診システムを利用したらイケメン医師が来た話

今年の3月なのですが、数年ぶりにアレにかかりました。。

春先にやってくる、あいつです。

インフルエンザです。。。

インフルエンザはドイツ語でGrippe(グリッペ)と言います。

「グリッペ💛」と言っちゃって、名前はめちゃかわいいのですが、日本と同じくその症状は凶悪です。

今年の春はこのグリッペのせいで大変な目に合ったですが、そのおかげ(?笑)でちょっと有益な医療サービスに出会うことができました。

ウィーン在住の方には是非知っていてほしい医療サービスですので、是非ご一読ください。

※この記事は2017年の記事を2021年の情報でリライトしたものです

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突然の悪感、そして発熱

その日はたまたま休日で、友人とレストランで食事をしていたのですが、、、何か食欲がない。そして寒い!

おかしいと思いつつも、そのまま電気屋さんにお買い物に行ったところで、ついにダウン。

友人に別れを告げて家に帰ろうとしたのですが、途中の公園のベンチで休憩しなくてはならないくらいダルイのです。

絶対高熱がある!と思いつつも体温計を探す気力も、病院に行く気力もなく、その日は眠りました。

翌日も状況は変わらず辛かったので、やっと体温を測ってみると。。やはり40度近くの熱が。

インターネットで症状を調べてみると、明らかにインフルエンザなのですが、高熱が出るのはせいぜい2~3日だということだったので、病院へは行かず様子を見ようとしました。

発症後3日後やっと病院へ

ところが3日目になっても、相変わらず全くもって回復の兆しが見られません。

高熱があるくせに、寒くて寒くてブルブル震えが止まりません。
冬服を着て、レッグウォーマーとマフラーを身に着け、さらに羽毛布団2枚に包まって温かいお茶を飲んでいても、寒い(笑)

ほぼ座敷童状態のわたしを見た旦那が、「お前普通じゃない」と言い出したので、ついに重い腰を上げて、病院に行くことにしました。

こういう時はPraxtischer Arzt(プラクティシャー・アルツト)という内科医に行くことになります。

病院で症状を説明すると

「あー。明らかにインフルエンザの症状ですねえ・・。」

とのこと。

そうでしょ?
何型か検査したり、タミフルとかくれるんでしょ?

と、ものすごく期待したのですが、帰ってきたのは非常な宣告。

「インフルエンザだと、できること何もないしねえ。。会社休んで、お茶飲んで寝ててください。」

え、、?

ええっ?

そ、それだけ???

もー、本当にびっくりしたのですが、ウィーンではインフルエンザにかかっても日本のように検査なんてしてくれないようなのです。しかも、続けて言われたセリフがこれ。

「タミフルって薬もあるんだけど、第一発症してから3日目経ってるからもう効かないし、どのみち僕はタミフル処方しない派だから。」

え?処方しない派って何。。。?

というわけで、結局病院に行ってもらってきたのは解熱剤と痰をサラサラにする薬のみ。

や、やぶじゃないのおー?!

発症後5日目。相変わらず40度近くの熱

普段はあまり大きな病気をしないのですが、今回は完全にKOのわたし。発症後5日経っても、高熱は下がる気配を見せません。

いつから職場復帰できるか知りたかったので、インターネットでインフルエンザが治る期間を調べてはみるのですが、どのサイトを見ても3~5日も経てば解熱するって書いてるんですよね。

でも、わたしの場合は治る気がしない!これ、本当にインフルエンザなの?!って感じになってきました。しかも、高熱が続きすぎたせいか、左耳が聞こえなくなってきました。

怖すぎる。。。

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7日目、再度内科へ

発祥してから、とうとう1週間経ちましたが、相変わらず38度超えの高熱が止まりません。

わたしは気になることは、いつもインターネットで調べるのですが、インフルエンザで一週間も高熱が下がらない、なんてどこにも書いていません(涙)

大丈夫なの、これ?

熱もつらいのですが、左耳が聞こえないのがものすごく気になってきました。
本当は一刻も早く耳鼻科に行きたいところなのですが、体調が悪すぎて片道20分のところにある耳鼻科まで行ける気がしません。

というわけで、再度近所の内科に行くことにしました。

まだ解熱しないことを訴えると

「仕事休んで寝てるしかないよ。お茶たくさん飲んでね」

と、前回と同じ診断。

お茶でインフルエンザが治るかっ!魔女のお茶でも持って来い!

と、叫ぶ元気もなく、聞こえなくなった左耳について聞くと、

「あー、それは大変だねえ。点耳薬出しておくねー」

と、一応薬は処方してもらえました。
さて、効くのか。。。

10日目、無料の往診システムを利用

内科で処方してもらった点耳薬があまりにも効かないのと、もう発症から10日も経っているのに相変らず高熱が治まらないので、もう何か他の病気じゃないかな?と疑うようになってきました。

ちょっと咳も出てきたし、肺炎だったらどうしよう。。と、ウジウジしてたら、旦那が「一回違うお医者さんに見てもらおう」と言い出しました。

でも、わざわざ遠くのお医者さんに行く元気もないし、タクシーで行くんだったら寝てたい、、と布団に包まっていたところ、旦那が「往診してもらえるシステムがあるらしいよ、しかもタダで!」と言い出しました。

ええ?そんな素敵なシステムがあったら、わたしはじめから往診してもらいたかったんだけど。。

と文句を言うと、どうやら旦那も知らなかったのだそうな。

時間は夜の21時。こんな時間に電話して、本当に往診してくれるのでしょうか?

深夜にイケメン医師現る

まず、電話をするとすごく丁寧な応対で好印象!

どんな症状なのかを聞かれたので、今までの経緯について説明しました。すると、

「わかりました。では、あと2時間後くらいならばお伺いできますが、いかがですか?」

とのこと!

えっ?2時間後っていうと。。。23時に来てくれるの?!

大丈夫、とわたしは往診をお願いすると半信半疑で電話を切りました。

すると、23時ごろ、本当に玄関のブザーが鳴りました!

わあー、来てくれた!

扉を開けると、そこに立っていたのは、なんと若いイケメン医師と、薬箱のようなものを持ったアシスタントらしき人!

まさかこんなイケメンがくるなんて。。。聞いてない、、、。
わたし病気でボロボロだし、化粧してないし、パジャマには子どもに付けられた醤油のシミが、、、、

と、一気にパニックに陥りましたが、後の祭り。わたしの後悔をよそに、イケメン医師は居間に入ってきて、テキパキと症状について質問をしてきます。

一通り説明を終え、

「もう10日も熱が下がらないし、何かヤバい病気とかではないですよね?」

と聞くと、イケメン医師は

「いや、インフルエンザですね。これ、今流行ってるんですよねー。もうちょっとで良くなるはずだから、よく寝て、お茶飲んで頑張って」

またお茶かよ!(笑)もういいよ!(笑)

そして、イケメン医師は内科医に処方されていた薬をチェックし、それが正しい薬であることを確認すると颯爽と帰って行きました。

何がスゴイって、これ、全部無料なんです!

必要だったのはÖGKというオーストリアの国民保険の保険のカードだけ!

いや、毎月高い保険料支払っているけど、こういう恩恵が受けられるなら文句は言えないなあ。。

ウィーンすごいぞ!!

深夜と週末の医療訪問サービス141

今回旦那が電話してくれたのはÄrztefunkdienst(AFD)(エルツテフンクディーンスト)という所。
電話番号は、141です。
夜は19時から翌日の7時まで、週末は金曜日の19時から月曜日の7時まで、祝日は(クリスマスでも大晦日も!)0時から24時まで対応してもらえます。

この電話で症状を説明し、必要であると判断された時は医師を派遣してもらえます。
電話では

・病人は誰なのか
・どこから電話しているのか、自分の電話番号
・かかりつけの医師の名前
・具合が悪いのはいつからなのか
・常用薬があるか
・最近服用した薬

を質問されるので、答えられるようにしておきましょう。
この医療訪問サービスを受けることができないのは

・1歳以下の赤ちゃん
・事故でけがをしている人
・呼吸困難を起こしている人
・気絶している人

です。

1歳以下の赤ちゃんの病気は小児科の救急へ、上記の症状の大人は144で救急車を呼んで救急病院に行くようにしてください。

ウィーン在住の被保険者のみなさん、夜中や週末に病気になってお医者さんに行くのも辛いような時は、このシステムを是非利用してみてくださいね。
とてもとても心強いサービスですよ!

Ärztefunktdienst

Ärztefunkdienst 141

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