ウィーンの自宅の給湯器の点検の時期が来ると、「ああ、一年が経ったなあ。」と時の流れを感じます。
風情もへったくれもない時の感じ方で悲しくなるのですが、1年に1回のこの給湯器の点検は、ウィーンに住んでいるほとんどの人に義務付けられている定期イベントです。
私が留学のためウィーンに引っ越してきたばかりの時は、この点検が一体なんのためのものなのか、どこに連絡して何をすればよいのかさっぱりわからず、とても戸惑ったことをよく覚えています。
今日は、ウィーンの給湯器の点検、「Thermenwartung」(テルメンヴァルトゥンク)についてお話ししたいと思います。
※この記事は2018年の記事を2021年の情報でリライトしたものです
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テルメの点検は何のために必要なの?
ドイツ語で給湯器のことを「Therme」(テルメ)、点検のことを「Wartung」(ヴァルトゥンク)と言います。この記事では、これから給湯器のことをテルメと表示しますね。
毎年定期的にテルメ点検の予約を入れたり、予定を空けたりするのは面倒くさいことですよね。
点検って、絶対に毎年行わなければならないんでしょうか?そもそも、何のために点検は行われるんでしょう?
調べてみると、こんな理由がありました。
■テルメの汚れを落として、効率的なエネルギーで暖房を使えるようにする
安全性にも関わってくるんですね!
これはやっておいたほうがよさそう。。。
テルメ点検の時期
テルメの点検の時期は、どうやって確認したらよいのでしょう?
1年前に自分で点検の予約をした人ならば、去年の領収書などで確認できるかもしれませんが、新しくマンションに引っ越してきた場合などは、前に住んでいた人がいつ点検をしたかなんてわからないですよね。
そんな時には、テルメの機械を見てみましょう。
側面にこんな感じのシールが貼っていませんか?
このシールこそ、「点検を行いましたよ」という証明兼次回の点検時期の目安を示すものなんです。
緑のシールの左下部分を見てみましょう。
「Wartung durchgeführt am 13.10.2016」とありますね。
これは、「2016年10月13日に点検が行われましたよ」という意味です。
また、緑のシールの右の部分には数字が書かれた円形の模様があります。
これは円の外枠の数字は、西暦を表し、内枠の数字は月を表しています。
円の中の数字に、2か所穴があいているのがわかるでしょうか?
2017と10の所に穴が開いているのが見て取れるかと思います。
この穴が示すのが、次回の点検の時期。
つまり、「2017年10月頃に点検してくださいね」という意味なんです。
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テルメ点検予約の仕方、注意点
というわけで、我が家も点検の時期がやってきたので、予約してみました。
点検してくれる会社はウィーン市内にたくさんあります。「Thermenwartung in Wien」などのワードでインターネット検索してみてくださいね。
点検料金は、業者によってまちまちなので、いくつかの業者のホームページを見てみたり、電話をしてみたりして、値段やサービスを比べてみましょう。
気を付けた方がよいことは、一見すごく安い値段を提示している業者では、移動料金や時給、機材料金が別にかかってくることがあるということです。
この辺は、ドイツ語ができないうちは見抜くのが難しいので、ドイツ語がわかる人にみてもらうと安心だと思います。
2021年のテルメ点検の値段の平均は、98ユーロ~160ユーロ程度ということですので、是非目安にしてみてください。
テルメ点検の流れ
予約した日、時間通りに作業員さんが1人やってきました。
「バケツを貸してください」と言うので、何に使うのかな?と思っていたら、テルメのお掃除に使うようです。
機械の点検と掃除を念入りに行い、作業自体は40分ほどで終了しました。
特にお手伝いする必要もありませんでした。
かかった料金は127ユーロでしたよ~。
平均ど真ん中ですね。
テルメ点検料金は自分で払わなければならないの?
それにしても毎年127ユーロをテルメ点検のために支払うのって、結構な出費ですよね。
テルメは家についているものだから、この出費は大家さんに払ってもらうことができないのでしょうか?
結論としては、ノーです。
毎年のテルメ点検を行い、安全な状態で使用できるように管理するのは、その部屋の住人の義務なんです。
お金がないから管理しないでいいや、と放っておくと暖房代が高くなったり、ひどい時には機械が壊れてガス漏れを起こすなど、命に関わる問題が発生することもあるんです。
痛い出費ではありますが、点検は毎年必ず行い、自分で支払うようにしましょう。
その際、領収書は絶対に捨てずに取っておくようにしてください。
テルメが壊れた!どうすればいい?
テルメが壊れたら温かいお湯が出なくなるので、お風呂にも入れなくなりますし、暖房もきかなくなります。
すぐに普段点検で使っている業者に電話をして修理にきてもらいましょう。
もしも、その業者が休みだったりする場合には、他の業者でも構いません。
テルメの修理費は、毎年のテルメ点検を行っていたことが証明できれば、自分で支払う必要はありません。
その場で業者への支払いをする必要はあるのですが、その時の領収書を大家さんに提出すれば、修理にかかった費用は大家さんに払い戻してもらえます。
払い戻しを請求すると、大家さんには必ず「毎年の点検はしていましたか?」と聞かれるはずです。
テルメ点検していたことを証明するのは、点検の時にもらった領収書です。
点検の際に貼ってもらえるシールでは証明にならないので、点検の領収書は少なくとも5年は捨てずに取っておくようにしましょう。
まとめ
テルメが壊れてしまったのに毎年の点検をしていなかった場合、ひどい場合だと新しい給湯器を入れる料金すべてを負担しなければならないこともあります。
新しい機械は何十万円もしてしまうものですので、家に給湯器がある人は必ず点検を忘れないようにしましょうね。
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