トマ「ミニヨンのガボット」を練習中?原曲も聞いてみよう!

バイオリンを習っている人は、スズキや篠崎、新しいバイオリンなどの教本を使用している人が多いのではないでしょうか?

教本で登場する曲の中には、もともとバイオリンのために書かれた曲ではなく、違う編成の原曲があり、それをバイオリンで弾きやすいように編曲してあるものも多いです。

そうなんですね。
でも、わざわざ原曲を聞いてみる必要ってあるんでしょうか?

はい!原曲を聞くのは、その曲の雰囲気をつかむために、とても有効な手段だとなのでお勧めですよ!

もともとがどんな曲かが掴めれば、曲に対しての愛着もわいてきますし、より説得力のある表現ができるようになると思います。

今回は、スズキバイオリン教本の2巻に登場するアンブロワーズ・トマ作曲「ミニヨンのガボット」についてお話ししたいと思います。

アンブロワーズ・トマ

聞いたことない作曲家ですが、有名なんでしょうか?

わたしたちにとっては、バッハやベートーヴェンほど耳なじみのある作曲家ではありませんが、19世紀のフランスオペラ界では最重要人物といってもいいほどの人ですよ。

トマは1811年、フランスに生まれ17歳の時に名門パリ音楽院に入学しました。
彼の得意ジャンルはなんといってもオペラで、「二重梯子 」や「夏の夜の夢」、「ハムレット」など多くの名作を生み出しています。

ミニヨン

スズキの教本で登場する「ミニヨン」は、そんなトマが1866年に発表し、初演したオペラ作品です。
ミニヨンは初演後、瞬く間に大成功を収めました。

ミニヨンとは、主人公の少女の名前。
彼女は旅芸人の一座で働かされていましたが、そこで不当に扱われていたところをヴィルヘルムという学生に救い出されます。

ミニヨンはヴィルヘルムに恋をしますが、当時ヴィルヘルムにはフィリーヌという想い人がいました。

ヴィルヘルムに子ども扱いしかされず、フィリーヌに嫉妬するミニヨン。

想いがうまく伝わらずすれ違い、失恋するミニヨンですが、ある日ミニヨンに同情する年老いた吟遊詩人、ロターリオが起こした放火事件に巻き込まれてしまいます。

自らの身を顧みずミニヨンを助けるため燃え盛る家へと飛び込んだヴィルヘルムに、ミニヨンは再び救われるのです。

やけどを負ったミニヨンは、療養先のイタリアの城で自分がこの城の領主の娘であると、そして娘を探して放浪するロターリオが自分の父だということを知ります。

ひたむきに自分を愛するミニヨンの気持ちに動かされて、彼女を愛するようになったヴィルヘルムは、ミニヨンと結ばれて物語は終了します。

いいお話ですね!オペラには悲劇が多いですが、ハッピーエンドというところが気に入りました!

と、思いきや、クライマックスでミニヨンがヴィルヘルムの腕の中で亡くなってしまうバッドエンドバージョンもあるので油断禁物です(笑)。

オペラやバレエにはいろいろな演出があり、この「ミニヨン」やチャイコフスキーの「白鳥の湖」のようにエンディングがまったく変わってしまうものがあるんです。

それもまた、公演を観に行く楽しみの一つですね。

ミニヨンのガボット

さて、ここでようやく本題のミニヨンのガボットです。

このガボットは、オペラ「ミニヨン」第二幕の一番初めに、導入としてオーケストラで演奏されます。

みなさんはいつもバイオリンだけで演奏しているはずですが、オーケストラではどんな響きがするのでしょう?

DVDで舞台の様子がわかるものがあればベストだったのですが、残念ながら音源のみしか見つけることができませんでした。。!

それでも、必ず曲のイメージが膨らんでくるはずなので是非聞いてみてください。

二つの異なるオーケストラの演奏を載せてみました。

フィルハーモニア管弦楽団

Mignon: Act 2 (Beginning)

メトロポリタン劇場

Mignon: Act II: Entr'acte

同じ曲を演奏しているのに、オーケストラと指揮者が違うだけで曲の雰囲気もちょっと変わることにお気づきでしょうか?

みなさんはどちらの演奏が好きでしたか?
自分ではどんな演奏をしてみたいと思いましたか?

原曲のイメージを自分の演奏にも生かしてみよう

さて、オーケストラで原曲を聞いたみなさんの感想はいかがでしたでしょうか?

思ったよりもテンポは速かったでしょうか、遅かったでしょうか?
音色はどうでしょう?柔らかかったでしょうか、重たかったでしょうか?軽やかだったでしょうか?

原曲のサウンド、そしてそのストーリーからイメージが膨らんだら、もう一度バイオリンの教本に戻って、イメージの音が再現できるように練習をしてみましょう。

今までの解釈とは全く違ったものになっている人もいれば、今までの解釈が確固たるものになる人もいるでしょう。

またイメージがあやふやになることがあれば、再び原曲を聞きなおしてイメージを広げてください。

ただし、オーケストラの演奏とソロの演奏では、表現方法が大きく異なります。

オーケストラの表現に忠実になりすぎて、表現が小さくなってしまったり、華やかさを失ったりしないように気を付けながら、楽しんで曲を作りこんでいってくださいね!

 

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